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ペナン島の観光名所「Fort Cornwallis(コーンウォリス要塞)」。同地を英国の交易拠点とするために1786年にFrancis Lightが上陸した場所。
ペナン島の観光名所「Fort Cornwallis(コーンウォリス要塞)」。同地を英国の交易拠点とするために1786年にFrancis Lightが上陸した場所。
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ペナン拠点「PG12」棟の外観
ペナン拠点「PG12」棟の外観
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PG12棟のロビー。奥に見えるのが大会議室の入り口。
PG12棟のロビー。奥に見えるのが大会議室の入り口。
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事業説明会でプレゼンテーションをするIntel社のRobin Martin氏
事業説明会でプレゼンテーションをするIntel社のRobin Martin氏
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IDMの強みを生かす
IDMの強みを生かす
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多様化する半導体パッケージ
多様化する半導体パッケージ
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アジア地域(および南米)の製造拠点
アジア地域(および南米)の製造拠点
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 米Intel社は2013年7月5日、マレーシア・ペナン(Penang)州の半導体後工程拠点(以下、ペナン拠点)において、アジア地域の報道機関向けイベント「Designed in Asia 2013」を開催した。同社幹部が事業説明会に登壇し、全社の事業戦略におけるペナン拠点の位置付けや、アジア地域における半導体設計・製造の取り組みについて語った。同拠点の実験施設(ラボ)の一部も公開した。Intel社が報道機関を製造拠点に招いてこうしたイベントを開催することは非常に珍しく、ペナン拠点を公開するのは今回が初めてという。

“東洋の真珠”に最大の米国外拠点

 ペナン拠点は、サーバーからパソコン、モバイル端末などに至る、広範なアプリケーションに向けたマイクロプロセサやチップセット、SoCの実装・検査工程を担うIntel社の主力製造拠点である。近年は製造だけでなく、チップやプラットフォームの設計にも力を入れている。Intel社の米国外拠点としては最大級の規模を誇り、従業員数は約1万人と同社の海外拠点全体の約10%を占める。うち2000人ほどは設計技術者だ。

 ペナン拠点が位置するのは、マレーシア屈指の観光地で“東洋の真珠(Pearl of The Orient)”と讃えられるペナン島の南東部。開設時期はIntel社の創業(1968年)から4年後の1972年で、同社の海外拠点の中では最も長い歴史を持つ。同社はこの拠点に過去40年間で累計40億米ドル以上を投資してきたという。ペナン島南東部は現在、電子産業の一大集積地に育っており、ペナン拠点の近隣には米Advanced Micro Devices(AMD)社や米Avago Technologies社、米Agilent Technologies社などの拠点が点在している。

製造のハブから設計の一大拠点へ

 5日にペナン拠点内の「PG12」棟の大会議室で開かれた事業説明会では、Intel社の製造部門の幹部であるRobin Martin氏(Vice President of Technology and Manufacturing Group, and Co-GM Assembly and Test Manufacturing)が登壇し、「Connecting Innovation across Asia」と題してプレゼンテーションを行った。同氏が強調したのは、ペナン拠点をはじめとするアジア拠点の重要性と、それらの拠点の近年における役割の変化だ。

 Martin氏はまず、後工程の巨大な製造能力を自社に持つIntel社の垂直統合戦略は、「最良の製品をいち早く市場投入する上で競争力の源泉になっている」とした。同氏によれば、タブレット端末やスマートフォンの台頭に伴い、半導体パッケージをより薄く、小さくすることが求められるようになったことに加えて、多様なフォームファクターを用意する必要が出てきた。「1~2種類のパッケージを用意すれば済んだ20年前に比べて、状況は大きく変化している」(Martin氏)。加えて、トランジスタの集積度の向上などに伴い、動作解析や検査の難度も増しているという。こうした課題に対処するために、ペナン拠点では開発したチップの動作検証(validation)や実装・検査のプロセスで得た知見を、設計開発部門にいち早くフィードバックする取り組みに力を入れているとした。

 この他、Intel社がペナン拠点を含む複数の後工程拠点をアジア地域に持ち、アジアを後工程の中心地と位置付けていることを紹介した。マレーシアのクリム(Kulim)には後工程と設計開発の拠点、中国にはモバイル端末向けプロセサとチップセットの後工程拠点、ベトナムにはチップセットの後工程拠点を持つ。これらのアジア拠点において、同社の全製品群の後工程の約80%をカバーしているという。

 このように、アジアはIntel社にとって「製造のハブとして知られてきたが、それだけにはとどまらない」(Martin氏)という。具体的には、これらの拠点では設計開発能力の拡充に力を入れている。ペナン拠点では既に20年前ほどに設計開発センターを設けたが、従来は必ずしも大きなリソースを割いてきたわけではなかった。設計品目も、チップセットや入出力ドライバ回路などに限られていた。ところが近年、ペナン拠点は設計チームの規模を大幅に拡大し、Intel社にとっての中核製品の設計にも加わるようになったという。

 例えばペナン拠点の設計チームは最近、第3世代Coreプロセサ(コード名:Ivy Bridge)やAtomプロセサの設計開発に参加し、直近では2013年6月に発表した「第4世代Coreプロセサ(コード名:Haswell)の開発に大きく貢献した」(Martin氏)。今後はこうした設計開発能力を、マレーシア以外のアジア拠点にも展開していく考えだ。