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 SiCパワー素子の製造に不可欠なSiC基板(ウエハー)の品質向上が続いている。現在主流の口径4インチ(100mm)品だけでなく、口径6インチ(150mm)品も結晶欠陥が減少している。

 例えば、SiC基板で高いシェアを誇る米Cree社が、SiC関連の国際学会「ICSCRM 2013」(宮崎県、2013年9月29日~10月4日開催)で発表した内容を見ると、パワー素子用の6インチ品のマイクロパイプの密度は、2013年時点で1個/cm2以下。平均で0.5個/cm2ほどで、よいもので0.01個/cm2に達する。こうした高品質な6インチの基板を使って10mm角のパワー素子を作成した場合、その歩留まりは98.7%になるとの試算を示した。

 基底面転位(BPD)については、口径4インチの基板を引き合いに出して、その密度を示した。Cree社によれば、口径4インチでBPDの密度は56個/cm2。基板内の17%の領域でBPDは0個で、78%の領域で5個未満だったという。

 BPDの密度が56個/cm2の4インチ基板に厚さ60μmのエピタキシャル層を積層したところ、BPDの密度は2個/cm2にまで減ったという。

 また、従来に比べて、パワー素子用SiC基板の貫通らせん転位(TSD)の密度も減少させている。これまでベア基板で955個/cm2、エピタキシャル層を積層した基板(エピ基板)で837個/cm2だったものを、それぞれ447個/cm2、429個/cm2と、約半分にまで減らした。

 Cree社はパワー素子向けだけでなく、LED用や高周波素子用のSiC基板製品も手掛けている。LED用基板については、口径6インチ品の結晶欠陥の密度は2010年に8個/cm2だったが、2013年時点で2個/cm2を下回ったという。

 高周波素子に関しては、口径6インチ品のマイクロパイプの密度は現在0.14個/cm2だという。これは、7mm角の高周波素子を作成した場合、96.3%の歩留まりを達成できる水準とする。