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Rod Drake氏 Tech-On!が撮影。
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今回の製品(右上)の位置づけ Microchipのスライド。
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今回の製品の機能ブロック図 Microchipのスライド。
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スターター・キット(左)とプラグイン・モジュール(右) Microchipのスライド。
スターター・キット(左)とプラグイン・モジュール(右) Microchipのスライド。
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マルチメディア拡張ボードII Tech-On!が撮影。
マルチメディア拡張ボードII Tech-On!が撮影。
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MPLAB Harmony Microchipのスライド。
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 米Microchip Technology社は、32ビットMCU「PIC32」の新製品として「PIC32MZ EC(Embedded Connectivity)ファミリ」を発表した(ニュース・リリース1)。日本法人のマイクロチップ・テクノロジー・ジャパンが、パシフィコ横浜で開催中の「Embedded Technology 2013 / 組込み総合技術展」(2013年11月22日まで)で、新製品を展示している。

 PIC32MZは英Imagination Technologiesの32ビット・プロセサ・コア「MIPS microAptiv」をベースにする。MicrochipはこれまでもMIPSコア・ベースの32ビットMCUを開発し、市場に投入してきた。最近は英ARM社のプロセサ・コアを搭載するMCUが多いが、これまで同様にMIPSコアを搭載した理由をMicrochipのRod Drake氏(Director, MCU32 Division)に聞いたところ、「MIPSコアの性能が高いから」(同氏)と説明した。

 新製品の演算性能は、330DMIPSおよび3.28 CoreMarks/MHzである。Microchipの既存32ビットMCU(PIC32MX)と比べて3倍の性能になり、「業界最高水準」(同氏)だとした。また、コード効率が高く、競合品比でコード密度が30%以上も高いとする。

 Imaginationの次世代MIPSコア「Series 5‘Warrior’」(Tech-On!関連記事)ベースのMCUの開発計画をDrake氏に聞いたところ、「将来の製品で使うコアについては答えらえない。ただし、MIPSとは今後も開発関係を維持する」(同氏)とのことだった。

 同氏によれば、microAptivが備えるDSPコアは、Imagination(MIPS)とMicrochipが共同で開発したものだという。これにより、PIC32MZでは159個のDSP命令が追加され、DSPアルゴリズムの実行に必要なクロック・サイクル数を既存のPIC32MXに比べて最大で75%削減したとする。

稼働中に書き換え可能なフラッシュ・メモリ

 新製品は24品種からなり、最大で2Mバイトのフラッシュ・メモリを集積する。2Mバイトは既存のPIC32MXの4倍である。新製品の2Mバイトは1Mバイト+1Mバイトの構成で、双方を瞬時に切り替えたり、稼働中に書き換えることが可能である(同社はライブ・アップデートと呼ぶ)。

 例えば、一方で古いプログラムを稼働中にもう一方に新しいプログラムを書き込み、書き込みが終わったら切り替えるといった使い方が可能である。「電力計など、止まらないことが前提のアプリケーションのユーザーから、ライブ・アップデートの要望が強くあり、それに応えた」(Drake氏)。同社の16ビットMCUでライブ・アップデート可能なフラッシュ・メモリを備えた製品があったが、PIC32では今回が初めてだとした。

 このほか、新製品では、MicrochipのMCUとして初めて、Hi Speed USBのMAC/PHYや、SQIインタフェースを集積した。さらに暗号専用回路を搭載して、AES、3DES、SHA、MD5、HMAなどの暗号方式の暗号化、復号化、認証を高速実行できるようにした。

 PIC32MZファミリは、2013年12月に最初の12製品のサンプル出荷と量産出荷を開始する予定である。残りの12製品は2014年5月までの間に順次出荷を開始し、これと同時にパッケージの種類も拡大していく。PIC32MZ MCUのうち、8製品が暗号専用回路を内蔵する。また、全24製品は1Mバイト・フラッシュ・メモリを内蔵した12製品と2Mバイト・フラッシュ・メモリを内蔵した12製品に分かれる。1万個購入時のチップ単価は6.68米ドルから(米国の価格)。

ミドルウエアなどを一括提供

 新製品の開発キット/ボードは複数種類があり、2013年11月18日から提供を始めた。例えば、「PIC32MZ ECスタータ・キット」には、暗号化エンジン内蔵製品向けのキットと、暗号化エンジンを内蔵しない製品向けのキットの2種類を用意する(米国における価格は共に119米ドル)。どちらも、LCDを備えた「マルチメディア拡張ボードII」(米国における発売日から6カ月間の特別価格は299米ドル)と組み合わせることにより、GUI、接続、オーディオ・アプリケーションの開発が可能である。また、既に「Explorer 16」開発ボードを持っているユーザー向けには、PIC32MZが載った「プラグイン・モジュール」(米国における価格は25米ドル)を提供する。

 さらにMicrochipは、ユーザーがアプリケーション・プログラム開発に専念できるように、同社のIDE「MPLAB X」上にファームウエア開発フレームワーク「MPLAB Harmony」を用意した(ニュース・リリース2)。MPLAB Harmonyは、Microchip社とサード・パーティのミドルウエア、ドライバ、ソフトウエア・ライブラリ、RTOSのライセンシング、リセール、サポートをMicrochipが一括して行う取り組みである(有償のものと無償のものがある)。なお、MPLAB Harmonyは当初、PIC32MZ向けだが、全32ビットMCUに適用できるように順次拡張する予定だという。