液晶テレビは、形がどれも一緒なので何とか差異化しなければならない。そこで、韓国メーカーが先陣を切って、湾曲の形を採用した。まず、2013年6月にLG Electronics社が55型有機ELテレビの出荷を開始した。その後、Samsung Electronics社も追随した。ソニーも同年9月の「IFA」で65型の湾曲型液晶テレビを出品。今回の「2014 International CES」では、LG Electronics社もSamsung Electronics社も、「曲がっていなければ、テレビにあらず」という勢いだ(Tech-On!関連記事)。
そこで、さらなる差異化として新規性を求めて、LG Electronics社とSamsung Electronics社が提案したのが、平面と湾曲の切り替えを可能にする試みだ。なぜ、「BENDABLE」(Samsung Electronics社の言い方)もしくは「FLEXIBLE」(LG Electronics社の言い方)なのか。LG Electronics社に曲がる有機ELパネルを供給する韓国LG Display社でテレビ商品企画を担当するJoohyun Lee氏は「視聴者が多いときはフラット(平面)にします。視聴者が少ないときはカーブド(曲面)にして、映像からの光が視聴者に集中して届くようにします」と説明した。
では、どれくらい湾曲させるのだろうか。LG Display社に聞くと、フラット時には当然曲がりはゼロ(曲率は無限)だが、湾曲時には5000~6500mmの曲率半径にしているという。あまり曲げていない印象だ。Samsung Electronics社は、曲率半径は4200mm(BENDABLEか固定かは不明)と記者会見で発表しているが、LG Display社のパネルはもうすこし緩やかである。