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戦略の揺れか、多方面戦略か

ASUS社の発表会にはAT&T社の幹部が登壇した
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 ASUS社は今回、Intel社に加えて、米通信大手のAT&T社の販売力を利用できるようになると発表した。スマートフォン市場で目立った結果を出せていない中、ASUS社は特定の通信事業者に、一部機種を専売してもらうという順当な販売手法を選んだ。ここでは、LTE対応機種の「Padfone X」をAT&T社に提供した。米国で本格的に普及し始めたLTEは、蜜月関係にあるIntel社が開発と採用実績で遅れをとっている通信方式だ。この機種でASUS社は、Qualcomm社のSoCを採用している。

 生き馬の目を抜くモバイル端末分野では、少しの遅れが致命傷となる。今回の取り組みはASUS社の戦略の揺れなのか、それとも多方面戦略なのか。近い将来、その真意がハッキリと見えてくることになりそうだ。

■「2014 CES」でASUS社が発表したモバイル端末の新機種の例

カテゴリ 機種名 想定実売価格 発売時期 CPUベンダー
タブレット兼パソコン Transformer Book Duet TD300 599米ドル~ 2014年第1四半期 Intel
スマホ Zenfone 4 99米ドル~ 2014年第2四半期 Intel
スマホ Zenfone 5 149米ドル~ 2014年第2四半期 Intel
スマホ Zenfone 6 199米ドル~ 2014年第2四半期 Intel
スマホ兼タブレット Padfone mini 249米ドル~ 2014年第1四半期 Qualcomm
スマホ兼タブレット Padfone X 未公表 2014年半ば Qualcomm

■競合端末との処理能力の比較
ASUS社による計測。Intel社のSoCを採用した機種は、Mediatek社やQualcomm社のSoCを採用した現行品に比べ良好な結果を得たという。表中の数値はベンチマーク・ソフトウエア「WebXPRT 2013とMobileXPRT CP 2013」のスコア。

端末名 SoCのコア数(メーカー名) JavaScript / HTML5 Native Media App
Samsung Galaxy S4 8コア(Samsung) 215 179
HTC One 4コア(Qualcomm) 225 131
ASUS Zenfoneシリーズ 2コア(Intel) 240 163

■モバイル端末向けSoCの処理能力の比較(その1)
ASUS社による計測。表中の数値はベンチマーク・ソフトウエア「AndEBench CPU Benchmark」のスコア。

SoCの名称 1スレッド 2スレッド 4スレッド
Qualcomm MSM8225Q 1458 2873 5733
Mediatek MT6589 1664 3390 6469
Intel Atom Z2560 3341 6687 9483
Intel Atom Z2580 4100 8055 11904

■モバイル端末向けSoCの処理能力の比較(その2)
ASUSによる計測。表中の数値はベンチマーク・ソフトウエア「GLBench 2.5.1 Egypt HD offscreen 」のスコア。

SoCの名称 FPS(frames per second)
MSM8225Q(Qualcomm) 5.5
MT6589(Mediatek) 9
Atom Z2560(Intel) 24
Intel Atom Z2580 30

■ASUS社が採用したIntel社のSoCの仕様概要
いずれも新品種ではない。2013年第2四半期に量産が始まった。

SoCの名称 Z2560 Z2580
CPUコア数 2
スレッド数 4
CPUコアの最高動作周波数 1.6GHz 2GHz
GPUの最高動作周波数 400MHz 533MHz
キャッシュ 1MB