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今回のDC-DCコンバータ制御ICの機能ブロック図 東芝のデータ。
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試作したチップ 東芝のデータ。
試作したチップ 東芝のデータ。
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 東芝は、従来よりも3倍以上広い負荷範囲において、85%以上の高い変換効率が得られるという、新たなDC-DCコンバータ制御ICを開発した(ニュース・リリース)。同社はこのICの技術的な詳細を、米国サンフランシスコで開催中のISSCC(International Solid-State Circuits Conference)において、2014年2月10日(現地時間)に発表する。

 同社によれば、このICを用いることで、消費電力を軽負荷時に58%以上、重負荷時にも24%以上削減できる(いずれも同社比)。これで、電池の持ち時間を改善し、発熱量を低減可能だという。今回、同社独自の位相数切り替え技術によって、上述のような特性を実現した。同技術の特徴は、「1サイクル以内の高速位相切り替え」や「10mV以下の低電圧リップル」などである。

 同社によれば、電源制御ICの負荷となるSoCでは、マルチコア設計が主流になりつつある。このため、電源制御ICには、広い負荷範囲に対し、高い変換効率を維持することが求められている。そこで、今回、東芝は、位相の異なる複数のDC-DCコンバータを並列稼働させて負荷電流を供給するマルチフェーズ制御を採用した。負荷電流に応じて並列運転数(位相数)を最適に制御することで、広い負荷範囲において高い変換効率を実現したという。

 位相数切り替え時には電流の急激な停止/投入が発生するため、出力電圧が大きく変動してしまうという問題がある。このため、従来、位相数切り替え技術はデスクトップPCのような1000µF以上の大きな平滑容量を持つ電源にしか適用できなかった。今回、東芝は、現在主流のアナログ制御ではなくデジタル制御を採用し、位相数切り替え前後の電流のバランスを保つことで、シームレスな切り替えを実現し、平滑容量を66µF以下に削減することに成功した。これにより、平滑容量に必要とされるプリント基板の実装面積を93%以上削減することができ、位相数切り替え技術のモバイル機器への搭載を可能にした。

 ただし、デジタル制御はA-D変換器が必要なため、電源制御部の消費電力が39%増えてしまう。そこで、今回、A-D変換器を構成するD-A変換器やコンパレータなどのアナログ回路を、電源制御部にある同種の回路とタイムシェアリングして使用する新たな電源制御アーキテクチャを考案した。これで、A-D変換器搭載に伴って増加する消費電力のうち、9割以上を占める直流消費電力成分を削減したという。