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 メモリー分野では、昨年以上に微細化が加速された。2013年は主だったメモリーのプロセスノードの”記録更新”はSRAMだけであった。これに対して、今年はNAND、DRAM、SRAMでそれぞれ記録が更新された。一方メモリーセルの面積縮小が一層困難になることを見据えてか、メモリーに付加価値を付ける回路技術の発表も盛況であった。

 昨年は韓国Samsung Electronics社、韓国SK Hynix社の発表が1件もなく様々な憶測を呼んでいた。本年はそれぞれ3件ずつ採択され、国別採択件数でも韓国が首位。一方日本は国別で2位に当たる5件を講演。メモリー関係のセッションは不揮発メモリーと混載メモリーがそれぞれ1セッション、DRAMとIOで0.5セッションの合計2.5セッションと昨年の2から回復した。

 大容量不揮発メモリーのセッションではSamsung社の3D (3次元) 128GビットNAND [講演番号19.5]が同セッション内最高の300人以上の聴衆を集めた。一方2D (2次元)NANDはスケーリングを16nm世代まで前進させ、米Micron Technology社は128Gビット(講演番号19.1)、SK Hynix社は64Gビット (講演番号19.2)のメモリーを発表。Micron社はプレーナーセル 、SK Hynix社は非プレーナーの従来型フローティング・ゲートセルという違い、さらに上述の3Dセルと大容量メモリー実現のアプローチの違いが興味深い。

 フラッシュメモリーの応用技術では、東芝がSATA3.0のSSDに匹敵するランダムリード66.3KIOPS、シーケンシャルリード690MB/sを実現したUFS2.0とその拡張規格UME1.0に準拠したモバイル機器向けコントローラー(講演番号19.3)を、東京大学と中央大学がデータセンターでの使用を想定したReRAMと三値NANDで構成されるRAID-5/6ハイブリッドストレージ(講演番号19.6)をそれぞれ発表した。

 またMicron社とソニーは200MB/sの書き込み速度と1GB/sの読み出し速度を実現した容量16GビットのReRAM(講演番号19.7)を27nmプロセスルールで試作した。台湾の国立精華大学は28nmのReRAMを用い読み出し時の電圧を0.27Vまで下げることができるセンスアンプ(講演番号19.4)を講演した。

 SRAMの論文は昨年に引き続き人気で、300人以上の聴衆を集めた。スケーリング競争は、昨年のTSMC によるバルクトランジスタの20nmからSamsung社による14nm のFinFET(講演番号13.2)まで一気に微細化が進展。ただしSamsung社の14nmメモリーセルの面積は0.0642でTSMC による20nmの2と比較すると面積縮小効果はあまり大きくない。TSMCもFinFETの16nm SRAM(講演番号13.5)を発表した。セル面積は0.0734m2。SRAM面積縮小が、ファウンドリー・ビジネスのためのプラットフォーム開発競争により加速する一方、必ずしも最先端ではないプロセス技術を使用した特定用途SRAMも注目を集めた。

 ルネサス エレクトロニクスは1.6Gsearch/sを実現できるルーターのルックアップテーブルに使用可能な28nm 80Mビット高速Ternary CAM(講演番号13.6)を、東芝はセルあたりのリーク電流が27fAの低スタンドバイ電流MCU向けの65nm SRAM(講演番号13.4)を発表した。

 昨年は全くDRAMの発表がなかったが、本年は混載メモリーのセッションでIntel社からは、22nm FinFETを使用したグラフィック向け混載用途のDRAM(講演番号13.1)があった。セル面積が0.029m2とSRAMの1/3程度にも関わらず、動作周波数2GHzを達成しハイエンドCPUのグラフィック性能を最高75%まで向上させる。

 さらに、DRAMのセッションではSamsung社から低電圧動作のためにECC内蔵した25nm LPDDR4 SDRAM (講演番号25.1)が発表され、SK Hynix社から2GビットDRAMを4個積層し128×8chのTSVで接続して128GB/sを達成したHigh-Bandwidth Memory (HBM) (講演番号25.2)と5.4mWの低スタンドバイモードを持つ5.0Gビット/s/pinのGDDR5M(講演番号25.3)の発表があった。スケーリングの難易度が増しているDRAMは低消費電力あるいは高バンド幅で差別化を目指している。