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 撮像素子のセッション(セッション7)では、韓国Samsung Electronics社が1.12μm画素ピッチの1/4型800万画素イメージセンサーの発表を行った[講演番号7.1]。シリコンを物理的に掘り込むDeep Trench Isolation(DTI)技術を用いて、1.12μmピッチの画素全てを物理的に分離し、光や電子が隣接画素から回り込むクロストークを抑えることに成功した。

 静岡大学は、毎フレーム単位で背景光除去を可能とする画素構造[7.4]と、0.3mmの奥行き分解能を実現する回路方式[7.5]を用いたTime-of-Flight(ToF)イメージセンサーをそれぞれ発表した。

 また、米Microsoft社は、最大130MHzという高速な変調照射光を検波する512×424画素ToFイメージセンサーを発表した[7.6]。複数の周波数を用いて計測可能な奥行き範囲を拡大し、さらに背景光による信号飽和を回避する回路を画素に取り込むことで、高精細な形状計測を自然環境下で可能とした。デモセッションにおいては次世代機を披露し、多くの観衆の注目を集めた。

 MEMS/ディスプレイのセッション(セッション12)では、超高精度の温度センサーや新しいUIを可能にするタッチセンサーに関する論文が数多く発表された。米SiTime社は3ppm以下の高精度な温度補正付きMEMS発振回路ICを発表し高い注目を集めた[12.9]。このICは従来比1/6の小型化と1/2の低消費電力化を併せて実現しており、完成度の高さを示した。

 ディスプレイ関連では、3Dセンシングやペン入力など多様なUIを実現する論文が相次いで発表された[12.1-12.5]。シャープは70型の大画面でありながら1mm径のペン入力を可能とするタッチパネル・システムを発表した[12.3]。デモセッションにおける試作品は非常にスムーズな操作感を示しており、観衆に大きなインパクトを与えた。米UC Berkeleyは、超音波技術を用いた3Dジェスチャーセンシング・デバイスの発表を行った[12.1]。デモセッションにおいては、3Dジェスチャーによる新感覚のゲーム操作UIを披露し、好評を得ていた。

 医療関連のセッション(セッション24)では、ワイヤレスで低消費電力な人体埋め込み型センシングデバイスやポイントオブケア検査を実現するデバイスの発表が大半を占めた。米Georgia Institute of Technologyは、脳深部刺激療法用のワイヤレスのスイッチトキャパシタ刺激システムを発表し、従来の電流コントロール型よりも高い電力効率を実現できることをアピールした[24.2]。また、UC Berkleyは磁性体ラベルを用いたオンチップのフローサイトメーターを発表した[24.6]。この方法はサンプルの前処理などを不要とするため、理想的なポイントオブケア検査を実現するものとして注目を集めた。