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Hakim Jaafar氏 手に持っているのは、STM32 L0マイコンを使った環境モニター。STMicro製の温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、紫外線センサーを備える。赤い矢印の下にあるのが、安価な開発ボードの「STM32 Nucleo」。日経エレクトロニクスが撮影。
Hakim Jaafar氏 手に持っているのは、STM32 L0マイコンを使った環境モニター。STMicro製の温度センサー、湿度センサー、気圧センサー、紫外線センサーを備える。赤い矢印の下にあるのが、安価な開発ボードの「STM32 Nucleo」。日経エレクトロニクスが撮影。
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STM32 L0シリーズの特徴 STMicroのスライド。
STM32 L0シリーズの特徴 STMicroのスライド。
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開発向けツール 右にあるのが、互換性の高いソフトウエアを開発できる「STM32 Cube」。STMicroのスライド。
開発向けツール 右にあるのが、互換性の高いソフトウエアを開発できる「STM32 Cube」。STMicroのスライド。
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 ドイツのニュルンベルクで開催中の組み込み開発の展示会「Embedded World 2014」で、伊仏合弁STMicroelectronics社にCortex-M0+マイコンを中心に話を聞いた。同社はEmbedded World 2014の1週間ほど前にCortex-M0+をCPUに持つマイコン「STM32 L0シリーズ」を発表している(Tech-On!関連記事1)。

 Embedded World 2014のブースで話をしたHakim Jaafar氏(Marketing Ultra-low-power Manager、Microcontroller Division, Microcontroller, Memory & Secure Group)によれば、STM32 L0の最大の特徴は低消費電力な点で、プロセッサーコアを最大動作周波数の32MHzで走らせた時でも消費電流は139μA/MHzで、少しゆっくり動かしたオプティマイズドモードでは87μA/MHzに下げられる。

 STM32 L0にはフラッシュメモリー容量が異なる多数の品種があるが、2014年2月から中容量(32K~64Kバイト品)のサンプル出荷を始める。大容量品(~192Mバイト品)と小容量品(16Kバイト品~)は2014年下期からサンプル出荷を始める予定である。

 STMicroは「Cortex-M0」をベースにしたマイコン「STM32 F0シリーズ」も用意しているが、今回のSTM32 L0との違いをJaafar氏を聞いてみた。「最初にCortex-M0マイコンを投入したのは、その当時はCortex-M0+がなかったからだ。ただし、今後も我々はCortex-M0マイコンとCortex-M0+マイコンの両方を提供する。狙いが異なるためだ」(同氏)。同氏によれば、Cortex-M0マイコンは安価なことを最優先する顧客に向けた製品であり、Cortex-M0+マイコンは低消費電力を最優先する顧客に向けた製品だという。

ソフトウエア互換性を確保

 ブースではマイコンと共に開発用のツールも紹介していた。例えば、つい最近発表した、10.32米ドルからと安価なことが特徴の、STM32マイコン向け開発ボード「STM32 Nucleoシリーズ」である(Tech-On!関連記事2)。安価なことに加えて、組み込み開発でよく知られたArduinoやmbedとの互換性を持つこともウリモノだという。さらに、STM32マイコン開発向けの新しい統合開発環境「STM32Cube」も紹介していた(日本語ニュース・リリース)。

 STM32ファミリはCortexM0ベースの製品から、Cortex-M4Fベースの製品まで幅広いが、全製品でピン互換性がある。「STM32Cubeは互換性をもう一歩進めるものだ」(Jaafar氏)だという。STM32CubeではHardware Abstraction Layer(HAL)と呼ぶ抽象度の高いプログラミングが可能である。HALのメリットを同氏は次のように説明した。

 「例えば、これまではプロセッサーコアを特定し、そのコア向けのソフトウエア部品(ソフトウエアスタック)を組み合わせてアプリケーションを開発していた。一方、HALでは、プロセッサーコアとは独立したソフトウエア部品を組み合わせてアプリケーションが開発できる。その後で、STM32Cubeが備えるコンパイラーが特定のコアに最適化したコードを生成する」(同氏)。また、同氏は、STM32Cubeでは、グラフィカルにプログラミングが可能なことも特徴だと説明した。