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 専用ハードウエアで実現していた通信事業者のネットワーク機能をソフトウエア化し、汎用の仮想化基盤上で構成する「NFV(Network Functions Virtualisation)」。設備コストの削減が見込めるうえに、柔軟で迅速なサービス開発が可能になると考えられるため、世界の通信事業者も強い興味を示している(関連記事:通信事業者がNFVを求める理由、なぜ注目が集まっているのか)。

 実際、スペインバルセロナで開催中のモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2014」では、中国移動、韓国SKテレコム、スペインテレフォニカといった世界の大手通信事業者が、ブース内で自社の取り組みとしてコンセプト実証(Proof of Concept)した結果を披露。現時点での課題や商用化へ向けた見通しなどを紹介している。

あらゆるノードを仮想化、大規模なNFVデモを見せた中国移動

写真1●中国移動によるマルチベンダー体制の大規模なNFVデモの構成
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写真2●機器群はブース裏に設置されているため見ることはできなかったが、これら仮想化基盤上に構築したノードを使ってサムスンのスマートフォン上にサービスを提供していた
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写真3●性能テストの装置もソフトウエアで構成していた
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 大規模なNFVの実証結果を見せたのが、中国移動だ。携帯コア網であるEPC(Evolved Pocket Core)の仮想化(vEPC)、VoLTEなどサービス系のシステムであるIMS(IP Multimedia Subsystem)の仮想化(vIMS)、さらに無線アクセス部分における集中化したベースバンドユニット(BBU)の仮想化(vRAN)と、あらゆるノードをX86のIAサーバー上で構成(写真1)。これら仮想化基盤上で構築したノードを使って、商用のスマートフォンで実際にモバイルサービスを提供する様子を見せた(写真2)。

 参加ベンダーは、韓国サムスン電子、米IBM、米アジレント・テクノロジーズ、中国ZTE、仏アルカテル・ルーセント、米リンカーネットワークス、米シスコシステムズ、中国ファーウェイなどと、かなり大規模なマルチベンダー体制によるトライアルだ(写真3)。

 実際、マルチベンダー体制での相互接続試験や、安定稼働に向けた取り組みなど苦労もあったようだ。ただし、中国移動の説明員によると「実際、このデモを実施すると決めて、2カ月でここまでこぎ着けた」という。そのスピード感には驚かされる。