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東京大学 名誉教授で、ウェアラブル環境情報ネット推進機構理事長の板生清氏

 「究極のウエアラブルは首に装着することになる」――。
 東京大学 名誉教授で、ウェアラブル環境情報ネット推進機構理事長の板生清氏は、2014年6月11日に日経デジタルヘルスが主催したデジタルヘルスAcademy「『ウエアラブル』の本質を議論する」において、「生体現象をセンシングすることで得られる医療データとは何か~その活用による新サービスの創出~」と題して講演した。

 同氏らは、ウエアラブルなセンサーを使って健康情報システムを構築しようと、2002年から東京大学の工学部と医学部、NTTを中心に取り組みを始めたという。当初はそれぞれのセンサーが出力する情報が同期しておらず、データベースを構築することに注力していたとする。しかしながら、研究を進めるうちにではハードウエアが頼りなく、ウエアラブルシステムで健康を守ることはできないと、ハードウエアを作り直す研究にも着手したとしている。

 ウエアラブルセンサーで目指すのは、健康を守る情報システムを構築することで、センシングだけをやっても意味がなく、センシングし、プロセッシングすることが重要で、さらに状態分析した結果に基づいて何かしらのアクションを起こさせる仕組みが必須としている。現在、音声ガイダンスで注意喚起することはできるが、それだけでは不十分で、ユーザーの環境そのものを変えていく必要があるとの見解を示した。

 現在のウエアラブルシステムの主流は、センサ情報を取り出すための「情報ウエアラブル」にとどまっているが、今後はセンサ情報だけでなく、服という空間の中で周辺環境を変えられる「情報・環境統合ウエアラブル」が必要になるという。具体的には、暑いとか寒いと感じたら、冷暖房できる服で健康を守るのが究極の姿だとした。

 直接、人を冷暖房できるウエアラブルシステムができれば、人の作業効率を高めるだけでなく、これまで部屋などの大きな空間を冷暖房するのに比べて1/10程度の省エネルギー化が図れるという。