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 Internet of Things(IoT)によって実現される便利な社会への期待と市場が広がりつつある。また、ポスト・スマートフォン時代のアプリケーションやウエアラブル端末の開発が近年盛んに行われている。これらを実現するシステムとそれを支えるLSIでは、高性能と低電力の両立が必須である。「ISSCC 2015」の低電力デジタル分野では、IoTの実現に必須となる低電力デジタル技術(Session 8)と、さまざまなアプリケーションに対して高性能と低電力を両立したSoC(Session 18)が発表された。

 低電力デジタル技術分野では、サブスレッショルド/ニアスレッショルド電圧動作のプロセッサーに関する3件の発表があった。600人以上の聴講者が集まり、質疑も活発に行われた。これらのプロセッサーは無線センサーネットワーク実現のための基幹部品となるセンサーノードのデジタル処理を担うもので、IoT時代を支える技術である。

 米ミシガン大学は無線センサーノード向けに太陽電池で発電した電圧で直接動作させられる「Cortex-M0+」プロセッサーを発表した(論文番号8.2)。リーク電力を低減する独自回路技術であるDynamic Leakage-Suppression(DLS)ロジックを適用した。

 動作周波数は2~15Hzと低いものの、0.16~1.15Vの幅広い電源電圧範囲で動作可能である。電源電圧550mV、2Hz動作時の消費電力は295pWである。電池が不要となるため、人が近づくことが困難な場所におけるセンシングデバイスへの適用が期待される。発表後は多くの聴講者が質問に列をなし、回路動作や特性に関して活発な質疑が行われた。また、デモセッションでは実際のチップ動作を披露した。周りには多くの人が集まり、関心の高さがうかがえた。

 英ARM社は無線センサーノード向けにサブスレッショルド電圧で動作するCortex-M0+サブシステムを発表した(論文番号8.1)。電源電圧範囲は0.25~1.2V、動作周波数範囲は20k~40MHzである。Minimum Energy Point(MEP)は390mV、688kHz動作時で11.7pJ/cycleとエネルギー効率は高い。リテンション時はCPUと4KバイトのSRAMが状態を保持しており、その際の消費電力は電源電圧250mVにおいて80nWである。このプロセッサーは電池駆動を想定している。