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講演する大川氏
講演する大川氏
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米国では問題にならない箱つぶれも問題視

 (1)については、まず、医療業界ではIT業界とは異なり全国的な販路を持つ販売代理店がない点を挙げた。IT業界では代理店が持つ製品知識が豊富でさまざまなアドバイスを受けられるのに対して、医療業界の代理店は製品の受け渡しで終わってしまうことが多いという。医師会や医学会といった現場へのコネクションもなく、顧客へのアプローチが困難だったとした。そこで利用したのがFacebook。過去に関わった人とコミュニケーションを取り、そこからネットワークを広げていった。

 (2)の関連法の理解については、改正薬事法、いわゆる医薬品医療機器等法も高いハードルとなった。元々医療事業での経験がないため、業許可や機器の認証、輸入、国内流通の手続きといった販売に至るまでの手順が分からず困難が多かったという。また海外と国内では製品の梱包や付属品に対する意識が大きく異なる。例えば米国では問題にならないレベルの箱つぶれや、添付文書の端が折れているといったことも国内では問題視されてしまう恐れがあるという。ヘルスパッチ MDは米国で生産しているため、そういった意識をきちんと共有することも課題だったとした。

 (3)の市場性については、民生向けとしても医療向けとしても、製品を使って何ができるかというビジネスモデルが欠けていた点を指摘。ウエアラブルデバイスは比較的新しい分野のため、ユースケースも新しく作っていくしかないという課題があったとした。

 この課題については、米国ベンチャー企業に限らず、ウエアラブル業界全体の課題と言える。ウエアラブル市場の拡大には、「目に見える改善が見込める、ずっと身に付けていたくなる、といったアプリケーションが必要になるだろう」(大川氏)と語った。