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講演する佐久間氏
講演する佐久間氏
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シャツの上から電極を貼りベルトで固定
シャツの上から電極を貼りベルトで固定
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受信側電極とパソコン
受信側電極とパソコン
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 衣服の上から非接触で心電図を測り、人体を介して近くのパソコンなどにリアルタイムに伝送する――。ベタついたゲル電極を肌に付ける、あの不快感なしに心電図を測れる手法を、名古屋工業大学が開発した。

 同大学 大学院工学研究科 情報工学専攻の佐久間淳氏は、「ITヘルスケア学会 第9回年次学術大会&モバイルヘルスシンポジウム2015」(2015年6月6~7日、熊本市)の「ICTを用いた生体情報収集」と題するセッションに登壇。「容量性結合電極を用いた非接触心電図検出と人体通信の特性評価」と題し、開発した手法を紹介した。

コモンモード雑音を低減

 この技術は、人体周辺の近距離無線通信網(BAN:body area network)の実現手段の1つである、人体通信を活用する。シャツの上から、心電図の検出と人体通信の信号送信に使う2枚の容量性結合電極を胸部に貼ってベルトで固定。左手を伸ばして人体通信の受信用電極に触れると、心電波形がUSB経由でパソコンに伝送され、リアルタイムに表示される仕組みだ。

 人体通信には、広帯域で搬送波が不要な低消費電力方式(インパルスラジオ方式)を採用。通信帯域(-10dB減衰帯域)は10M~60MHzである。

 この手法では、コモンモード雑音による検出感度の低下が問題になる。そこで佐久間氏らは、コモンモード雑音を抑えるための「DRL(driven right leg)回路」を心電図検出回路に挿入し、そのための第3の電極を胸部に貼り付ける方式を採用した。

 この結果、実測値として60Hzで最大23dB、120Hzで同16dBのコモンモード雑音低減効果が得られた。データ伝送レートは1.2Mビット/秒と心電図のリアルタイム伝送に十分な値。左胸から左指先までのデータ伝送のビット誤り率(BER:bit error rate)は10-3のオーダーで、物理層としては十分な性能という。