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 「2015 Symposium on VLSI Circuits」のSession 22「High Speed and High Frequency TX/RX」では、次世代の新しい応用や高速通信規格に向けたCMOS無線トランシーバー技術に関する報告がなされた。

 CMOSを用いた無線トランシーバーでは、イメージング用途などを目指して、ミリ波よりもさらに高周波のサブミリ波(テラヘルツ波)を用いるトランシーバーの研究が活発化しており、今回も2件の発表があった。次世代の高速通信規格として注目される60GHz帯のGビット/秒通信用のトランシーバーや、コグニティブ無線用の高調波除去受信機に関する発表も3件あった。

 講演番号22.1および22.5では、米テキサス大学のグループが、65nmのCMOSプロセスによるサブミリ波を利用したイメージング用などの4次分数調波ミキサーおよび周波数5逓倍器について発表した。

 ミキサー方式は包絡線検波方式に比べて感度が高く、位相情報も利用できる。だが、局発振器が必要となり、テラヘルツ帯の受信機ではLO(Local Oscillator)信号分配のための電力消費が非常に大きくなる。特にイメージャー用途では、送受信機をアレイ状に並べる必要があり、消費電力の削減が欠かせない。LO信号分配の消費電力を削減するために、従来は搬送波周波数の分数周波数に相当するLO信号を入力して周波数変換する「分数調波ミキサー」が提案され、主にSiGeプロセスを用いた報告例があった。