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 「2015 Symposium on VLSI Circuits」では、A-D変換器IC関連の発表が目立ち、4つの関連セッションが用意された。このうち以下では、前半の2セッション、すなわちセッション3「SARADC&SC Filter」とセッション11「Nyquist ADC and DAC」から、注目を集めた発表を紹介する。

 まずセッション3では、SARのADC技術として、チャージリサイクリング技術の応用やFinFETの活用、差分フィードバックを用いたΔΣ-SAR、Flash-SAR-VCOの複合アーキテクチャなどが報告された。

 SARにおけるチャージリサイクリング技術は、米University of Michiganによるもの。前回のサンプリング時の容量に蓄えられたエネルギーを、次のSARの充電に使おうという提案である。次の信号の予測技術と合わせて、SARの電力消費を極小化し6.6fJ/conv.の電力効率を得た。

 ただしこの手法では動作が複雑になり、1コンバージョン当たり4ステップの動作が必要になる。University of Michiganはセンサーや医療用LSI技術に強く、医療用A-D変換器ICでは極低電力動作が求められることから、こうした技術を追求しているのだろう。同グループのA-D変換器ICは低速動作の8ビット構成であるのでこうした電荷再配分技術が可能だが、高速で高精度のSARへの応用は難しいのではないか。