PR
[画像のクリックで拡大表示]

 TEMでその場観察するための要件は、電子線がサンプルを透過しなければならないので、厚さが数百nm以下である必要がある。市販のチップはその域に達しておらず、チップに電流がかからず、その結果再現性が悪く、粒子像が不鮮明で再現率が10%しかなかった。

 そこで、MEMS技術を活用し、厚さ数百nm以下の窒化シリコン(SiN)膜で電解液を封入したセルを開発した。これにより、再現率を95%まで高めることができ、リアルタイムで白金微粒子の粗大化過程の観察に成功した。また、観察動画と電気化学測定結果をシンクロ化することにも成功した。

 今回観察した結果から、白金微粒子はカーボン上を移動して集まり、その結果粗大化することが判明した。この手法を用いると、サンプルチップに実走行モードの電圧変動をかけ、その状態でどのように白金微粒子が挙動するかがわかるようになり、走行状態に応じた材料の開発が期待でき、燃料電池の長寿命化と白金使用量の低減につながる。