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 マツダは第39回東京モーターショー(一般公開日:2005年10月22日~11月6日)に、モータを使わないでエンジンを再始動させる「スマート アイドリング ストップ システム」を展示する。基本的な原理は圧縮行程にあるシリンダに燃料を噴射して、クランクを逆回転させることで始動用の圧縮行程とする。同社で研究中の例では、モータを使った再始動が0.7秒かかるところ、0.3秒と短時間で再始動できるほか、10・15モード燃費を14%ほど改善できるという(2.0LのAT車との比較)。

図1◎モーターショーで展示予定のカットモデル。ターボのない直噴エンジンを使用する。

 動作の原理は次の通り。まず圧縮行程にあるシリンダと膨張行程にあるシリンダを、ちょうど空気量が同じくらいの位置でエンジンを止める。止めるためにはオルタネータをブレーキとして使うため、特別なハードウエアを追加する必要はない。ただし、クランク位置を精密に制御するため、クランク位置センサは精度の高い物に変更している。

 次に、再始動の際は圧縮行程にあるシリンダに燃料を噴射する。噴射した燃料に点火することで、クランクは逆回転を始める。ただ、静止した時点でシリンダ内は大気圧に戻っているため、あまり強い爆発力は得られない。しかし、逆回転により膨張行程のシリンダが今度は圧縮を始める。

 そこで新たに圧縮しつつあるシリンダに燃料を噴射し、爆発させることでピストンは再び下降する。クランクは正回転に戻るため、エンジンを再始動できる。

 特別なハードウエアも必要なく実現性の高いシステムで、担当者によると「遠くない将来に実現したい」という。また、通常のアイドリングストップがスタータやバッテリを強化するのに比べればコストもかからない。ただし、エンジンが冷えきってしまった場合などは再始動できないため、始動用のスターターモータは必要になる。

図2◎圧縮行程と膨張行程を、同じような位置で停止させる。