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カシオ計算機の「EX-F1」は,
秒間60 連写もの高速連写技術を搭載した。
本機はどんなユーザー体験をもたらすのか。
試作機を借り受けてテストした。
今後の商品企画や技術開発に向けたアイデアを
読み取ってもらえれば幸いである。

 600万画素で60フレーム/秒──。ソニーが衝撃的な連写速度を実現できるCMOSセンサを学会発表してから約2年。カシオ計算機が,同センサを搭載したデジタル・カメラ「EX-F1」の試作機を公表してから約半年。首を長くして待ち続けたこの機種を,ようやく試用することができた。

 ここに,EX-F1がどんなユーザー体験を提供するのか紹介しよう。今回はいち早く,レビューを報告するために量産直前の試作機を利用した。このため,ソフトウエアの細部などが実際の市販機と異なる可能性がある。

“できる”と“使える”と“楽しめる”

 私がレビューで特に重視したのは,「CMOSセンサという部品の機能を,カメラという最終商品の魅力にどれだけ転化できたのか」である。EX-F1が搭載するCMOSセンサが一般に販売されるものだからだ。ソニーが提供する画像処理LSIを併用すれば,60フレーム/秒という連写速度自体はどのカメラ・メーカーでも実現できる。

 つまり本機の連写機能が仮に,単に“できる”というレベルにとどまっていたとすれば,今後登場するだろう他社商品に対するアドバンテージを築いたとは考えられない。それを築くには,CMOSセンサの機能をエンド・ユーザーが実際に“使える”ことが欠かせないといえる。

 ここでいう“使える”とは,カタログの飾りになっておらず,ユーザーが機能のメリットを本当に受けられることを指す。ただ,“使える”レベルに達すればおしまいではない。エンド・ユーザーが部品の機能を“楽しめる”レベルにまで「昇華」することに,最終商品メーカーの真価がある。

 “楽しめる”を現実化することは,極めて難しい。カメラの開発者が,写真やカメラ,ユーザーの潜在ニーズを理解し,さまざまなノウハウを蓄積し,アイデアや技術を生み出して適切に商品に盛り込まなければならない。