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 今から5億4000万年ほど前のカンブリア紀。現在の動物の基となる動物が短期間で一気に出そろうという現象が起こったとされる。「カンブリア爆発」(cambrian explosion)と呼ばれるこの生命の大進化と同様の変化が,間もなくケータイに訪れようとしている。

 「手のひらに載る大きさで,液晶ディスプレイやテンキーを備える」「基本機能は音声通話である」「携帯電話事業者の方針に従って製品を開発する」「データ通信には速度が不十分」─。携帯電話には,誰もがこんなイメージを思い浮かべるだろう。それはいろいろな制限のために,これまでのケータイにはごく限られた「種」しか存在できなかったことを示す。

 ケータイを縛る制限を解き放ち,種を一気に増やす圧力となるのが,「LTE」(long term evlolution)に代表される,「第3.9世代」(3.9G)の移動体通信方式である。安くて速いデータ通信を実現する3.9Gへの移行は,携帯電話業界のビジネスモデルの変革と相まって,ユーザーや機器メーカーが持っていたケータイに対する固定観念を打ち破る。これまで想像もしなかったような機器が次々登場する可能性を秘める。携帯電話機という枠から外れた,新しい「ケータイ」が生まれる。

Q. LTEになると何が変わるのか?
A. 最大100Mビット/ 秒超を実現
  LTEは,第3世代携帯電話(3G)の方式を策定する3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が進められている方式です。これまでにほぼ仕様が固まっており,2008年12月に開催される3GPPの会合で最終仕様が決まる見込みです。

 3GPPは3Gの最初の方式「W-CDMA」を決めた後,下りのデータ伝送速度を高める「HSDPA」,下りはHSDPAと同じで上りのデータ伝送速度を高める「HSPA」(HSDPAとHSUPAの総称)などを策定し,3Gを拡張してきました。LTEは,そのHSPAで実現していたデータ伝送速度を20倍強に高め,理論上,下りで最大326Mビット/秒,上りで86Mビット/秒のデータ伝送速度を達成します。また,遅延時間を1ケタ短縮します。これまで数秒かかっていた接続を確立するまでの時間を100ms以下,数十msかかっていた無線区間内での通信パケットの伝送にかかる時間を5ms以下にします。