自動車やボイラーなどの廃熱,太陽熱,人間の体温,歩行時の振動,産業機器や高速道路の振動など…。これまで利用されることなく捨てられていたエネルギーをかき集める「エネルギー回収技術」を活用する動きが盛んになってきた。60年近い研究を経て,今,離陸する段階になっている。
連載
廃熱や振動からの発電技術が実用期へ
目次
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第3回:振動を電力に,道路や服でも発電
次に,振動から発電する技術について触れる。振動は,歩行時など熱よりもやや身近な場面で利用できるため,携帯機器などへの給電を目指した開発が多い。ただし,「首都高速道路全体の振動で東京23区内の家庭に供給する電力の4割に相当する4GW以上を発電できる」(音力発電)という試算もある。将来的な用途は微小発電…
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第2回:熱電変換技術,効率急上昇で実用にメド
ここからは各技術について,やや詳しく紹介する。熱や振動を利用するエネルギー回収を実現する技術は,実際には何種類もある。具体的には熱を利用する技術には,温度差を起電力に変える熱電変換技術と,熱を音のエネルギーに変換する熱音響技術の2種類がある。
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第1回:まずはセンサで製品化,車の燃費1割向上も視野に
自動車やボイラーなどの廃熱,太陽熱,人間の体温,歩行時の振動,産業機器や高速道路の振動など…。これまで利用されることなく捨てられていたエネルギーをかき集める「エネルギー回収技術」を活用する動きが盛んになってきた。60年近い研究を経て,今,離陸する段階になっている。