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3段階で“ウエーハ・レベル・カメラ”へ進化

 MEMSによるカメラ・モジュールの製造革新は3段階で進む。いずれの進化にもMEMS加工技術が貢献する。貫通電極形成,基板接合,樹脂レンズのウエーハ・レベル形成である。

 第1段階は,貫通電極の採用を契機に2008年ごろに始まる。イメージ・センサー・チップのガラス封止,貫通電極や再配線層,ハンダ・ボールの形成をウエーハ・レベルで実施する。

 第2段階になると,複数枚のレンズを組み合わせたレンズ・ユニットをウエーハ・レベルで製造する。2枚のレンズ基板をウエーハ・レベルで製造し,スペーサや赤外線遮断フィルタ,レンズ用キャップとウエーハ・レベルで接合する。この部分を個片化した後に,イメージ・センサー・チップ上へ個別に実装する。これは,レンズ・ユニットとイメージ・センサーの面積が異なることと,レンズ・ユニットの歩留まりが低いことによる。

 第3段階では,レンズ・ユニットとイメージ・センサー・ユニットのすべてをウエーハ・レベルで接合する。これは,“ウエーハ・レベル・カメラ・モジュール”であり,究極の姿といえる。イメージ・センサー上に,レンズ,スペーサ,レンズ用キャップなどを順にウエーハ・レベルで接合してカメラ・モジュールとする。それから最後に個片化する。

まずはイメージ・センサー回りから変革

 このような進化に合わせて,イメージ・センサー・メーカーによるカメラ・モジュール製造・組み立ての内製化が始まった。

 第1段階である,イメージ・センサー・チップのガラス封止,貫通電極や再配線層,ハンダ・ボールのウエーハ・レベル形成が量産レベルで2008年に始まる。これによって,組み立て工程が委託から半導体メーカーの内製に切り替わる(図4)。例えば,東芝は,貫通電極を採用したイメージ・センサーをグループ内での一貫生産に切り替えた。従来は外部に委託していた。一部ではあるが,部品を個別に組み立てていた方法から,半導体メーカーにとってなじみの深いウエーハ・レベルでの処理に変わったためである。

図4 カメラ・モジュールの組み立てに貫通電極を適用
図4 カメラ・モジュールの組み立てに貫通電極を適用
カメラ・モジュールの組み立てに貫通電極を適用した東芝の例。貫通電極,再配線層,ハンダ・ボールをウエーハ・レベルで形成。貫通電極の形成前にウエーハに接合するガラスには,薄化したウエーハの機械的強度を補完するサポート材と,イメージ・センサー内部にごみや水分の混入を防ぐ封止材という,二つの役割がある。本誌が作成。