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テレビをニコニコ動画にする

 放送局の中には,ウィジェット機能などの可否について「放送局が口を出す問題ではない」との意見も出てきているようだ。インターネットなどを通じた放送と流通の連携を模索する日テレ7 メディア事業部長 兼 クロスメディア営業グループ担当部長の藤川和彦氏は「最終的には視聴者が判断する問題だ」と言い切る。「例えば,ウィジェットをオーバーレイ表示していいかと問われれば,放送局の誰もが『嫌だ』と答える。だが実際には放送局でも,ニュース速報など視聴者にとって必要な情報であれば,制作者の意に反して画面を重ねている。テレビの画面のことを決めるのは,放送局でもメーカーでもなく,視聴者の判断だ」(同氏)。

 第1段階であるUI実行環境が実現できて初めて,次の第2段階に行ける。放送ログなどの番組メタデータを活用したサービスや,視聴者同士で番組の感想やコメントを共有するといった本命のサービスの実現である。

†放送ログ=放送された番組について,出演者や放送の内容,登場した商品,各コーナーの開始/終了時間などを記述したログ情報。

 放送コンテンツとウィジェットなどのWebコンテンツを共存できるなら,何ができるか。誰しも思い付くのがテレビの「ニコニコ動画」化だろう。複数のテレビ・メーカーの技術者が「2ちゃんねるの実況板をリアルタイムで表示させる機能を試してみたことがある」と明かす。「やってみて驚いた。テレビ番組が数段面白く感じられた」(テレビ・メーカーの技術者)。

†ニコニコ動画=動画共有サービスの一つ。動画に対して投稿されたコメントが,その動画の上に表示される。これにより,不特定多数のユーザーが,感想やツッコミを共有しながら視聴できる。

†実況板=電子掲示板サイト「2ちゃんねる」内にある,放送番組などについて感想やコメントをリアルタイムで書き込める掲示板群を指す。

 面白いテレビを作りたいという技術者の熱意がある限り,こうしたコミュニティー機能はいずれ実装されるだろう。しがらみがないベンチャー企業は大胆に,大手メーカーは放送局との関係や公共性の確保を重視しながら慎重に,それぞれ「未来のテレビ」を目指すことになりそうだ。