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「Intel化」するテレビ

 さらに2009年以降は,テレビ向けSoCとしては「常識外れ」ともいえる性能を持つチップがテレビに載りそうだ。

 一つは,東芝が2009年秋にテレビに載せるとされる,Cellの技術を応用したメディア・プロセサである。超解像機能の実装に用いるほか,複数番組の同時録画・再生機能に活用する。もう一つは,米Intel Corp.が開発したSoC「Intel Media Processor CE 3100」(開発コード名:Canmore)である。

 CE 3100は東芝や韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が採用を明らかにしているが,当面はBlu-ray Discプレーヤーや高機能のIPTV-STBなどに搭載される可能性が高い。「テレビに使うには価格が高すぎる。ドライバなどのソフトウエア・サポートも不十分」(複数の機器メーカーの技術者)だからだ。実際にテレビ向けの搭載が始まるのは,2009年以降に登場するAtomプロセサ・コアを搭載した 45nm版からとなりそうだ。

 CE 3100の強みの一つに, CPUコアがIntel Architectureに対応し,既存のパソコン向けソフトウエアや開発環境の多くが流用できることがある。だがそれ以上に重要なのは,パートナー企業を巻き込み,自らチップの用途を開拓するIntel社の力である(図5)。

図5 Intel社はCE 3100向けのキラー・アプリ開発で各社と連携
図5 Intel社はCE 3100向けのキラー・アプリ開発で各社と連携
Intel社は,複数のソフトウエア企業と「CE 3100」向けアプリケーション・ソフトウエアやドライバの開発で提携する。従来のテレビ向けSoCよりはるかに高い機能を持つCE 3100を生かしたアプリケーション・ソフトウエアを開発することで,CE 3100の普及を促したい考えだ。

 既にIntel社は,米Yahoo! Inc.と組み,ウィジェット実行環境「Widget Channel」を移植済みである。さらに国内では,UIEジャパンがGUI実行環境「UIEngine」をCE 3100に移植したほか,ベンチャー企業のクイックサンは搭載テレビの開発を計画している。「まずはAtom搭載のテレビを2009年春ごろまでに発売し,CE 3100ないし,その後継チップを搭載したテレビの試作機を2009年末か2010年初頭に完成させたい」(クイックサン代表取締役の安達寛高氏)という。