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 トヨタ自動車の「プリクラッシュセーフティシステム」は、インテリジェントカー部門賞に選ばれた。同システムは、ミリ波レーダで衝突を予測し、衝突時の乗員の安全を確保するシステム。複数の技術で構成しており、今回受賞した技術はプリクラッシュ・セーフティ・システムの中で、衝突直前に後席の背もたれの位置を戻す「プリクラッシュシートバック」である。

「プリクラッシュシートバック」
「プリクラッシュシートバック」
前方の障害物に衝突する、もしくは後続車に追突される可能性が高いと、後席の背もたれを所定の位置に戻す。

 トヨタ自動車が2009年3月に発売した新型「クラウンマジェスタ」が採用した。プリクラッシュシートバックは、前面もしくは後面衝突する可能性が高い場合に、後席の背もたれを戻すシステム。背もたれを正しい位置にすることでシートベルトの拘束力を高め、衝突時の乗員への衝撃を抑える。

 衝突を検知するために、車両の前方と後方に配置したミリ波レーダを使用する。ただし、新たにモータの数は増やしていない。シートのリクライニング用モータで実現しているが、従来よりも容量の大きいタイプを採用した。プリクラッシュシートバック作動時は、10度/秒で背もたれが戻り、所定の位置で停止する。「通常のリクライニングに対し、倍程度の速さ」(トヨタ自動車第2電子開発部主任の川崎智哉氏)である。

側面衝突を予測し死亡重傷事故を減らす

 新型クラウンマジェスタは、プリクラッシュシートバック以外にも、新しい安全技術を採用した。「前側方プリクラッシュセーフティシステム」と「後席センターエアバッグ」である。

 前側方プリクラッシュ・セーフティ・システムは、交差点における出合い頭の側面衝突事故を予防する。相手車両に側面から衝突される可能性があると警告音を作動し、衝突が避けられない場合はエアバッグを早期に展開して安全性を高める。

赤色部分が「前側方プリクラッシュセーフティシステム」の検知エリア
赤色部分が「前側方プリクラッシュセーフティシステム」の検知エリア
フロントバンパー左右にレーダを設置することで、斜め前方の障害物を検知する。

 側突事故を含む出合い頭の事故は死亡重傷事故件数の28%と、最も多くを占める(警察庁2007年統計)。今回の技術を使えば、死亡重傷事故を大きく減らせる可能性がある。