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図1 「ライティング・フェア 2009」(2009年3月3~6日,東京ビッグサイト)におけるパナソニック電工の展示。高演色なデバイスを展示した
図1 「ライティング・フェア 2009」(2009年3月3~6日,東京ビッグサイト)におけるパナソニック電工の展示。高演色なデバイスを展示した
(菰田卓也,井出伸弘,「効率向上し『照明』分野へ期待高まる有機EL」,『有機エレクトロニクス2010-2015』,p.23より)

 照明技術や照明器具の展示会「ライティング・フェア 2009」(2009年3月3~6日,東京ビッグサイト)が今年も開催された。今回はLEDや有機ELといった次世代照明の展示(図1)で埋め尽くされた感があった(Tech-On!関連記事1)。

 30年間も照明分野の研究開発を行ってきたパナソニック電工 先行技術開発研究所技監の菰田卓哉氏は今年のライティング・フェアを見て次のように語っている(Tech-On!関連記事2)。

 「今年の『ライティング・フェア』は,照明が変革期であることを象徴するものでした。今までの照明の代表である,白熱灯や蛍光灯関連の展示がほとんどなかったからです。ほとんどの照明メーカーはもちろん,今まで照明とあまり関係のなかった企業も,LED照明にどんどん参入していました。有機ELについても,当社や山形の有機エレクトロニクス研究所,ルミオテック,オランダRoyal Philips Electronics社,NECライティング,ロームなどが参考展示をしました。おそらく,2011年ごろには有機EL照明が市場に出てくるのではないかと思います」。

環境問題と特性向上が追い風

図2 有機EL照明の発光効率(a),輝度半減期(b),コストの推移(大久保聡,野澤哲生,「新概念の電子デバイスを創造するプリンタブル・エレクトロニクス」,『有機エレクトロニクス2010\-2015』,p\.71より)
図2 有機EL照明の発光効率(a),輝度半減期(b),コストの推移
(大久保聡,野澤哲生,「新概念の電子デバイスを創造するプリンタブル・エレクトロニクス」,『有機エレクトロニクス2010-2015』,p.71より)
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 これまで有機ELというと,薄型テレビのパネル向けという印象が強かった。ここに来て,照明分野にも各社の目が向いてきた理由としては,環境問題に対する意識の高まりにより省エネルギーな照明機器が求められるようになったことに加え,輝度や寿命といった特性が先行する白色LEDに近づいてきて,照明として使えるレベルに達してきたことがある。

 まず発光効率で見ると,有機EL照明は研究開発レベルで白色LEDに約2年の差で追っている(図2(a))。2008年6月に米Universal Display Corp.(UDC)が102lm/Wという発光効率を発表し,2006年3月に日亜化学工業が発表した白色LEDの発光効率と同レベルまで来た。「200lm/Wの実現までは,既にその可能性が見えている」と有機EL研究の草分けである山形大学 大学院 理工学研究科 教授の城戸淳二氏は語っている(大久保聡,野澤哲生,「新概念の電子デバイスを創造するプリンタブル・エレクトロニクス」,『有機エレクトロニクス2010-2015』,p.71)。

 寿命(初期輝度1000cd/m2の輝度半減期)についても,材料や素子構造の工夫で2006年時点で1万時間前後だったものが,2007年3月には10万時間,2008年5月には20万時間という研究成果が発表された(図2(b))。

 特性向上に加えて,コスト面でも実用化のメドがついてきた。量産が本格化すると見られる2012年には,明るさ当たりのコストに換算すると約4円/lm前後と,現時点の白色LEDのコストと同程度まで下げる計画を照明機器メーカーは立てている(図2(c))。照明機器として広く普及させるには1円/lmまで下げる必要があり,これも2015年には実現したい考えだ。