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加藤 敏春 氏
加藤 敏春 氏
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 さらに期待されている市場としては,プラグイン・ハイブリッド車や電気自動車と家庭を接続する「Vehicle to Grid」(V2G)があります。家庭のコンセントに接続して充電するという機能だけでなく,様々な情報のやりとりを,クルマと家庭を接続して行おうという発想が出ており,ベンチャー企業も登場しています。V2Gは,HEMSに続くスマートグリッド革命の第2幕といったところです。

 米大統領のObama氏は,2015年までにアメリカ製のプラグイン・ハイブリッド車を100万台走らせると言っています。そうすると,V2Gの市場規模もかなりのものになる。HEMSの年間30億米ドルに匹敵するでしょう。

――HEMSの市場には,大手メーカーだけでなくベンチャーも多数乗り出してきているようですね。

加藤氏 HEMSを実現するためには,家庭の中で様々な機器を接続するネットワーク技術が必要になる。米国の電力事業者などはこうしたネットワークを「HAN(home area network)」と呼んでいます。HANに向けた要素技術を提案する企業が,短期的には話題を集めることになりそうです。

Tendrilや4Homeなどベンチャー続々

 従来のホーム・オートメーションは,高所得者層に対するサービス提供が中心でした。それがHEMSというキラー・アプリケーションの登場によって,一気にロー・エンドに降りてきます。このときに宅内で必要になるのが,HANを安価に実現するための低消費電力の通信方式です。今米国では,無線ではZigBeeやZ-Wave,そして電力線通信ではHomePlugなどに大きな関心が集まっており,関連するベンチャー企業の取り組みも活発です。個人的には,HANの主導権を握るのは,無線と電力線通信のハイブリッドが可能な方式だろうと思っています。

 さらに今期待が高まっているベンチャー企業としては,HEMSのサービス事業を請け負うサービス・プロバイダー企業です。急速にそのビジネス・モデルが確立してきた感があります。サービス・プロバイダー事業とは,家庭へのシステムの導入から始まり,課金処理,マネージメント,そしてHEMSシステムといったもので,これらを一貫して提供する企業も出てきています。Google社やMicrosoft社はもちろんですが,米Tendril Networks社や4Home社は要注目ですね。特に4Homeは,最近Verizonとも提携しましたが,非常に面白い会社になりそうです。

―― 次回へ続く ――