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(前回から続く)

 「アナログVGA端子は,いつになったら不要になるのか。VGAの出力端子が厚くて,ノート・パソコンの薄型化を進められない」(ある国内パソコン・メーカーの技術者)。

 パソコンやノート・パソコンで長い間,映像出力端子として用いられてきたVGA(video graphics array)。このVGA端子が厚いことが,機器の薄型化の障壁になっているとの声が多い。本来であれば,1999年4月に登場した「DVI(digital visual interface)」により,VGAが置き換えられるはずだった。しかし,DVIのコネクタが大きく,また相互接続性の確保が不十分だったなどの理由でそれほど普及していない。そのため,今でも多くのパソコンとモニターでVGA端子が採用されている。

 こうした状況から,再度VGA端子の置き換えを狙って2006年5月に登場したのが「DisplayPort」である(表2)。大手パソコン・メーカーの米Hewlett-Packard Co.や米Dell Inc.などが主導し,ディスプレイ関連の標準化などを手掛けるVESA(Video Electronics Standard Association)が策定した。

表2 HDMIとDisplayPortの現行仕様の比較
表2 HDMIとDisplayPortの現行仕様の比較

 当初は,同規格を採用するパソコンやモニターは一部にとどまっていた。しかし,ここにきてようやく普及の兆しが見えてきた。きっかけは,米Intel Corp.がDisplayPortへの支持を2007年1月に表明したことである。それまで同社は対抗規格「UDI(unified display interface)」を支持してきた。同社がDisplayPortへの支持にくら替えしてから,「風向きが変わった」(複数のDiplayPort用送受信ICを手掛けるメーカー)という見方が多い。既にDisplayPortに対応したパソコンやモニターをDell社,ノート・パソコンを米Apple Inc.,グラフィックス・ボードを米Advanced Micro Devices,Inc.(AMD社)などが発売している。

 Intel社も,「2010年に出るノート・パソコン向けプラットフォームに導入するだろう」(同社のモバイル・パソコンのマーケティング担当者)という。このため,「今後はビジネス用途のパソコンにはDisplayPortが,AVパソコンにはHDMIが載るのでは」(国内のパソコン・メーカーの技術者)との声が専らだ注4)

注4) DisplayPortには,「受信回路が難しく,相互接続性に課題がある」(ある技術者)と指摘する声がある。「コンプライアンス・テストに合格しても,つながらない恐れがある」(同)という。