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大坪 文雄氏
大坪 文雄氏
パナソニック 代表取締役社長(写真:栗原 克己)

――今回のCEATEC JAPANでも,環境を意識した製品を各社が展示するとみられるが,御社におけるエコ家電の現状や技術開発の方向性は。

 当社は2007~2009年度の中期計画の下,地球環境への貢献を目指して「商品のエコ」「モノづくりのエコ」「ひろげるエコ」という「三つのエコアイディア」の実現に取り組んでいる。商品でいえば,PDPテレビや液晶テレビなどは消費電力がどんどん下がっている。

 そのテレビは今やBlu-ray Disc録画機と連動し,無線でも有線でも自動的につながる時代になった。その一方で,録画機は待機時電力を多く消費している。このため,テレビをオフにしたときには自動的に録画機の電源もオフになるというように,単品での消費電力を下げることが求められている。加えて,ネットワークにつながった機器全体での消費電力も抑える必要がある。こういった視点でいろいろな商品を見ると,省エネを実現するための技術開発や工夫では,まだまだやるべきことがたくさんある。

――AV機器以外の白物家電なども同様か。

 白物家電こそ重要。洗濯機であれば少ない水でいかに効率よく洗濯できるか,冷蔵庫ならドアの開閉が少ないのであれば電力を少し絞ってもいいのではないか,エアコンであれば人を感知し,人がいる方向に冷風が流れるようにすれば部屋全体を冷房する必要はないのではないか,といった具合だ。

 AV機器や白物家電といった商品ジャンルを問わず,家全体で,最小の消費電力で生活できるようなシステムを我々は提案しなければならない。パナソニックらしい商品開発の在り方を含め,いくらでもアイデアはある。

 国内はもちろん,欧米でも新興国でも,環境に対する消費者の認識は非常に高まっている。消費者のためにも我々メーカー自身のためにも,そして最終的には地球全体のためにも,メーカーは環境という切り口で市場をもっと引っ張っていく役割がある。

――それを実現する上で,キーとなる技術は何か。

 例えば,今述べたエアコンを実現するためには,人感センサが必要だ。AV機器では半導体の役割が大きくなり,消費電力の少ないシステムLSIなどの開発が重要になる。いずれも現在取り組んでいることだが,今後もずっと継続してやっていく。

 省エネのための商品開発は,デバイスから商品コンセプトまで総力を挙げたものになる。どうすればエネルギー効率が最も高くなるのか,生活シーンをよく考えながら実際の商品に反映していきたい。

――日本メーカーが持つ強みや果たす役割は。

 能天気といわれるかもしれないが,今回の経済不況はむしろチャンスと思わなければならない。我々の事業でいうと,テレビや冷蔵庫,洗濯機などいろいろな省エネ製品を世界中に出しているつもりだ。ただ,現実には韓国メーカーなどを含め,世界市場での省エネ競争は相当過熱している。こうした中で「CO2プラス・マイナス・ゼロの生活」という提案を,技術的な裏付けを持ちながら商品化プランやコンセプトと共に明示し,すぐにでも実証実験できるのは日本メーカーの強みである。