
世界のエレクトロニクス・メーカーが家庭における健康管理・予防医療に触手を伸ばしている。世界各国で進む高齢化や医療費高騰を背景に病気を未然に防ぐ「先取り」の仕組みの構築に注目が集まっているからだ。これから本格的に拡大する市場に向けて早くも水面下で開発競争や連携の話が進んでいる。
世界のエレクトロニクス・メーカーが家庭における健康管理・予防医療に触手を伸ばしている。世界各国で進む高齢化や医療費高騰を背景に病気を未然に防ぐ「先取り」の仕組みの構築に注目が集まっているからだ。これから本格的に拡大する市場に向けて早くも水面下で開発競争や連携の話が進んでいる。
健康・医療分野の機器開発では,民生機器の開発と大きく違う点がある。薬事法の存在だ。現在の薬事法では「人もしくは動物の疾病の診断,治療もしくは予防に使用されること,または人もしくは動物の身体の構造,もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具」を医療機器と定義している。こうした機器を製造/…
画像診断装置など,病院向けの医療機器市場で従来から高いシェアを維持してきたオランダRoyal Philips Electronics社。ここへ来て半導体部門を分社化し,医療機器事業に一層注力する姿勢を見せている。今後は,病院向けだけではなく,家庭や個人向けの市場も視野に入れる。同社の戦略を日本法人社…
利用者に継続して測定してもらうためには,「飽きさせない」仕掛けも重要になる。その観点から注目を集めているのが,ゲーム機メーカーのアプローチである。
健康機器をつなぐ基盤が徐々に整いつつあることを受けて,つながる健康機器を前提にしたエレクトロニクス・メーカーの取り組みは,水面下で着々と進んでいる。
つながる健康機器は,単にエレクトロニクス・メーカーが自らの事業拡大のためだけに実現させようとしているわけではない。こうした機器を必要とする状況が,世界各地の人々の生活や社会の中で確実に進行していると踏んでいるのだ。
「韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.が,健康管理分野の情報を相当集め始めているのは事実。日本で2007年春に開催された健康管理分野の学会に,40人以上もの同社の技術者や韓国の政府高官が訪れ,分担して発表を聞いて情報を分析していた」(複数の健康機器メーカー)─。