
その電子部品ホンモノですか?

目次
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【インタビュー】模倣部品の対策はどうする
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【対策その3】ID認証も万能ではない
日本側は,米国主導でID認証の仕組みが義務付けられることによってコスト増などの弊害が生じると懸念しており,低コスト化に向けた仕組みづくりなどを提案していく考えである。
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【対策その2】ISO化を巡り各国の思惑が交錯
ID認証の仕組み自体は,決して珍しいものではない。例えば,缶コーヒーのキャンペーン・ラベルでも利用されているほど,一般的なものである。ただし,「当然ながら,キャンペーン用と真贋判定用では,セキュリティーの重みが違う」(凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 トッパンアイデアセンター セキュアソリュ…
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【対策その1】チップに固有のIDを付与
「このままでは模倣品対策や次世代セキュリティーの市場を米国勢に牛耳られてしまう」。電子情報技術産業協会(JEITA)で半導体の模倣品対策などにかかわる,富士通セミコンダクター 知的財産本部 標準推進部 専任部長の飯田清和氏は危機感を募らせる。
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【実態その4】中国ではびこる模倣自動車部品
中国の模倣自動車部品問題は,かなり深刻だ。2009年7月,北京で開催された中国最大の自動車部品見本市「中国国際汽車零部件博覧会」。その会場には,地方自治体による企業誘致などを目的とした商談スペースに加え,数百に及ぶ中小の自動車部品製造・卸売業のブースが並んだ。「彼らの中には,こうした場で堂々と模倣部…
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【実態その3】被害は広範囲
模倣品業者の目的は,ほとんどの場合,金銭である。一方,被害を受けた部品メーカーにとっては,売上高の減少のみならず,模倣品の解析や販売ルートの調査に余計な手間とコストがかかってしまう(図8)。品質が良くないとの評判が立つことによるブランド・イメージの低下や,販売店との関係悪化を招く恐れもある。
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【実態その2】マークを変えて高く売る
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【実態その1】半導体市場の5%が模倣品
「欧州では今,太陽電池の模倣品が毎日のように見つかっている」。ドイツの第三者認証機関であるTV Rheinland社は,こう語る。「25年保証の太陽電池を買ったのに,1年で壊れてしまったというユーザーが我々に調査を依頼してくる。その結果,本物ではないことが判明する」(テュフ ラインランド ジャパン …
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【プロローグ】巷にあふれる模倣電子部品
2010年3月,ドイツ・ドナウヴェルトの税関は,スロベニアからやって来た,あるトラックの積み荷を押収した。それは何と,約12トンもの模倣,つまりニセの太陽電池モジュールだった。金額にして37万ユーロ(120円/ユーロ換算で4440万円)。太陽電池は中国製であり,EU(欧州連合)内の港で陸揚げされた後…