Intel
認証の仕組みを国際標準化する

David Brown氏
米Intel Corp.,Security and Business Integrity Group, Senior Principal Engineer
Intel社は10年以上も前から模倣品問題に直面しており,対策の歴史は長い。1999年には,Pentium IIIにプロセサの種類を識別する機能を搭載した。ユーザーはパソコンでそれを読み取り,真正品であることを確認できる。この技術の採用によって,Pentium IIIの模倣品は,Pentium IIのときと比較して97%も減った。
現在はYottaMark社と協力して,基板に張り付けたラベルの情報をインターネットのデータベースと照合して真贋判定するパイロット・プロジェクトを実施している。今後,これをSEMIのT20という標準に準拠させたい。模倣品は全産業界の問題であるため,こうした仕組みを一般的に使えるように,ISOと協力してTC 246/TC 247での標準化活動を進めている。最近,オンライン・ショップのNeweggが「Core i7」の模倣品を販売したと報道されたが,現在は事実関係を調査中なので詳しいことはいえない。ただし,米国で一定の評価を受けているショップが模倣品を販売した事実は,正規の販売代理店から製品を購入することが,必ずしもこの問題の解決にならないことを象徴している。
Cisco Systems
60人のチームで対策している

Phil Wright氏
米Cisco Systems,Inc.
Director, Brand Protection Group
世界貿易では全量の3~7%が模倣品といわれ,これによって数千億個の真正品の市場機会が失われている。しかし,Cisco社にとっては,金銭面よりも顧客満足度への悪影響の方が問題である。そこで,契約社員を含め60人の体制で模倣品対策を行っている。
エレクトロニクス機器や部品には,インターネットでリアルタイムに取引される巨大な流通市場が存在する。中間流通業者はそれが模倣品だと知ってか知らずか,正規のチャネルに潜り込ませたり消費者に販売したりする。当社の場合は,リバース・エンジニアリングを使って本物のように見せかけた模倣品が多く見られる。しかも,年々,模倣は巧妙さを増している。
しかし我々は,模倣を難しく,かつ高コストにすることを狙った技術的な対抗手段の開発に取り組んでいる。一方で,模倣業者を検挙すべく,積極的に追跡している。Cisco社は世界中の税関と,どれが真正品で,どれが模倣品かを見分けられるようにするための共同作業をしている。2007~2008年にはFBIと協力し,実際に多くの模倣品を差し押さえた。