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 中国のFPD産業は様々な困難を乗り越えながら発展を続けている。パネル製造や上流の部品・材料供給など、これまで海外メーカーに頼ってきた領域にも、中国国内企業の積極的な参入が相次いでいる。これを、中国政府も様々な支援策で後押ししている。この背景には、都市部から始まり内陸部に拡大しつつある、FPDの巨大な潜在市場がある。

 中国市場と製造サプライ・チェーンへの参画を狙う中国内外の企業にとって、現地の生の情報を入手し、中国政府関係者や業界キーパーソンとの交流を図ることは重要である。こうした交流や情報交換を主旨とした「FPD International China 2011 / Beijing Summit(中国・北京2011年国際平板顕示産業高峰論壇)」が、2011年9月5~6日に中国・北京国家会議中心で開催される。

 本連載では、ダイナミックに変化する中国FPD産業のトピックを紹介しながら、中国FPD産業の今後を読み解く。第1回は、京東方科技集団(BOE Technology Group社) 副董事長 兼 中国光学電子産業協会 液晶分会 秘書長の梁新清氏の講演内容をもとに、中国FPD産業の現状と目指す方向と、今日のFPD産業の発展を支えてきた中国政府による様々な政策について解説する。

発展を続ける中国FPD産業、“高世代ライン”建設でパネル自給率向上へ

 FPD International China 2011 / Beijing Summitの主催者の一つである中国光学光電子行業協会 液晶分会で秘書長を務める梁新清氏は、2011年3月15~17日に中国上海で開催された「FPD China 2011(中国液晶時代高峰論壇)」で講演し、中国FPD産業の現状と今後の見通しについて述べている。その内容は、中国FPD産業が目指す一つの大きな方向であることから、まず紹介する。

 2010年までは、中国国内では “高世代”と呼ばれる第6世代以降の液晶パネル生産ラインがまだ稼働しておらず、大型パネルに対する国内需要を満たせていなかった。2011年以降は、中国国内でも高世代ラインが相次ぎ稼働し、大型パネルの国内自給率は向上していく。その自給率は、2011年に39%、2012年には71%、さらに2013年には116%に達し、国内需要を完全に満たせる見通しである(図1)。

図1 中国国内での大型パネルの需要と、中国国内の高世代パネル生産ラインからの供給
国内自給率は急速に拡大し、2013年には自給率100%を超える。中国光学電子行業協会 液晶分会のデータ。縦軸の単位は百平方メートル。
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