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 HMDの駆動素子には透過型液晶パネル,光源にはRGB3色のLEDを用いる。メガネの右側部分に導光路などを含めた光学システムを実装した。オリンパスは2008年に同様のHMDを発表しているが,当時は91gと一般的なメガネの10~20gと比べてかなり重かった。今回は軽量化を図り,一般のメガネと同程度の重さを実現したという。

 日本信号は,ブラザー工業が2010年度中の製品化を計画するHMD「AiRScouter」の試作機を見せた。駆動素子に,日本信号が開発したMEMSミラーを搭載する。光源にはRGB3色のレーザ光源を用いた。MEMSミラーなどを格納する重さ約25gのメガネ型本体部と,光源や電池を格納する光源モジュールから成る。

 Microvision社のHMDは,MEMSミラーで走査した映像を,導光板を使ってメガネのレンズに表示するものだ。2010年3月に製品化した超小型プロジェクター「SHOWWX」に搭載する光学システムを実装した。「2年前に軍事用途では実用化されている。今後は民生用途でも提案していく」(同社)とする。

タッチ・パネルは静電容量と抵抗膜の課題を克服

スマートフォンやタブレット端末,携帯型ゲーム機などでは,タッチ・パネルを使った入力機能が当たり前になりつつある。こうしたモバイル機器の多くには,投影型の静電容量方式と抵抗膜方式のタッチ・パネルが使われている。

 一般的に,静電容量方式では複数の指で同時に触れて操作するマルチタッチ入力が可能だが,ペンや手袋をはめた手などの絶縁体を検出できないとされている。これに対し,抵抗膜方式は絶縁体でも使えるが,マルチタッチ入力ができないのが通説だった。今回のCEATECでは,こうした課題の解決を図った技術が登場した(図A-1)。両者の機能上の差は,なくなりつつあるといえる。

図A-1 静電容量でペン入力,抵抗膜でマルチタッチ入力
静電容量方式と抵抗膜方式がそれぞれ抱える問題を解決したタッチ・パネルが登場した。日立ディスプレイズは,合成樹脂製のペンや手袋を着用した 手を使って入力できる投影型の静電容量方式タッチ・パネルを出展した(a)。SMKとホシデンは,10点のマルチタッチ入力が可能な抵抗膜方式タッチ・ パネルを展示した(b,c)。
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 指で直接触れずに,樹脂や布などの絶縁物での入力を検知できる投影型の静電容量方式タッチ・パネルを開発したのが,日立ディスプレイズである。複数の指で同時に触れて操作するマルチタッチ機能はそのままに,合成樹脂製ペンを用いた入力や,寒冷地などで手袋を着用したまま操作するといった入力が新たに可能になった。その他の特性については,一般的な投影型の静電容量方式タッチ・パネルと同等とする。例えば,応答時間は10ms~16ms,全光線透過率は90%以上である。検出制御には,一般のコントローラICを適用できるとする。

 一方,抵抗膜方式で10点のマルチタッチ入力が可能なタッチ・パネルを,SMKとホシデンがそれぞれ出展した。両社が採用する方式は,デジタル抵抗膜方式やマトリクス抵抗膜方式と呼ばれるもの。面状の電極を使う一般的なアナログ抵抗膜方式とは異なり,ストライプ状の電極を位置検出に利用する。上部基板と下部基板にそれぞれ形成したストライプ状電極が交差するように両基板を配置し,電極が接触したときに上下のストライプ状電極に流れる電流を利用して,入力位置を検出する。