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秋山氏 皆さんのお話からは,デジタルヘルスはかなり可能性のある市場だと感じます。一方で,現実的にはまだまだこれからの市場です。実際,利益を上げつつあるプレーヤーもいれば,既に当初の利益が見込めずに撤退してしまったプレーヤーもいます。それ自体が,この市場の難しさを示していると思います。今後,市場を広げていく上で,どんなブレークスルーが必要になるのでしょうか。何が課題や障害になっていて,それをどう変えていけばよいのでしょうか。

河上 正三氏
河上 正三氏
ギブン・イメージング
取締役社長
1977年にソニーに入社。ローラン ド・ベルガー・アンド・パートナー, 日本ガイダント,バイエル メディカ ルを経て,2003年にミルテニーバ イオテク 代表取締役社長。2006年 にカイフォン日本 代表取締役社長, 2008年にデータスコープ・ジャパ ン 代表取締役社長。2010年7月か ら現職。

河上氏 技術よりも,制度や法律の部分が大きいでしょう。これらが変わらないと,物事が進まないという気はします。(デジタルヘルス市場を創出することで)医療はゼロサムではなく,プラスサム(全体が拡大することで各部分もそれぞれ同時に拡大すること)になるという強い信念を持てるかどうかが重要です。

秋山氏 やはり,国がまず動かないとなかなか難しいというご意見ですが,その点,韓国ではいかがでしょうか。

趙氏 例えば,韓国でも日本と同じように,医師会の反対はもちろん存在します。ヘルスケアとか遠隔診療とかの世界が浸透していったときに,仕事を取られてしまうのではないかという不安があり,自分たちのテリトリーを守るためにものすごく反対しています。

 この例だけではなく,韓国でも課題はたくさんあります。しかし,政府機関の考えはただ一つ。「なせば成る」です。どんな課題があっても推進していこうという意識がとても強いのです。ご存じのように,韓国では1997~1998年にIMF経済危機があり,本当に国がつぶれるのではないかという体験をしました。その時に韓国政府が選択した道は,情報通信分野で生き残るということです。電子政府やデジタル教科書などの取り組みで韓国が世界で最も進んでいるのも,そのためです。(デジタルヘルスについても)日本と同様に,各省庁間の見解の相違も存在するわけですが,なせば成るという共通認識の下で,何とか前に進もうという動きが韓国にはあります。