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秋山氏 今,指摘があったように,蓄積したデータは活用してこそ価値が生まれます。そもそも日本では,ナショナル・データベースがありません。韓国ではどうですか?

趙氏 以前は,患者が診療を受けた病院がデータを持っていたわけですが,現在では政府がデータ・センターを設けており,そこにデータが集まっています。ですから,病院が変わっても同じデータをいちいち取り直す必要がありません。ただし,韓国でもこうなるまでには,何度も制度を改善するなどの試行錯誤はありました。

秋山氏 日本では今,個人がデータを管理していく「PHR(personal health record)」という視点に基づく動きが進み始めています。しかし,データの継続性をどう担保するのか,そのデータを誰がどう活用するのかという点が見えてこないと,なかなか前に進みません。

加藤氏 我々,産業を興す側としては,容易に想定できる分野以外へのデータの応用も考えていく必要があると思います。例えば,製薬業界が個人の生体情報を活用したいという話はよくあります。しかし,最初の段階から対象を指定していくのではなくて,まだ見えていないような分野で生体情報を活用することで新しい産業が生まれてくる可能性もあるわけです。ですから,あまり制限をかけないような活用の仕方も大切だと考えます。

誰と組むべきか変化に対応できる舵取りを

梅田 智広氏
梅田 智広氏
東京大学 工学系研究科
精密機械工学専攻 特任助教

1999年に三菱マテリアルに入社。 オリンパスを経て,2006年11月か ら現職。東京理科大学 総合研究機 構 客員准教授や慶応義塾大学大学 院 政策・メディア研究科 特任助教 なども務める。

秋山氏 5~10年後の市場に向けて今,何を仕込み,何に着手しておくべきなのでしょうか。

趙氏 韓国でも,実証実験などを通して,今,できることをどんどん始めています。結局,その積み重ねです。何かしなければ,前には進みません。ですから,今,できることをする。これが重要です。