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「らくらくホン」の次の一手
ケータイとパソコンの連携を強化

瓜田 健司氏
富士通 
ユビキタスプロダクトビジネスグループ
ユビキタスビジネス戦略室 担当部長
らくらくホンから,らくらくパソコンへ
写真データを転送している様子。

 高齢者市場でこれまでに最も成功している機器の一つが,NTTドコモと富士通による「らくらくホン」だ。2001年の発売以来,2000万台近く販売した。そして,富士通が次の一手として注力するのが「らくらくパソコン」である。「ホン」の成功をどう生かすか,担当者に聞いた。

 らくらくパソコンを発売した2008年前後から,高齢者がパソコンで何をしたいかを時間をかけて探ってきた。その結果,インターネットやメールと共にニーズが高いことが分かったのが,写真の取り扱いである。自分が撮影した写真をパソコンの画面で見たり,印刷したり,写真を添えたはがきを作ったりしたいという声が多い。

 高齢者は,カメラで撮った写真データをメモリ・カードでパソコンへ移すことに慣れていない。そこで,2010年7月に発売した「らくらくパソコン3」では,らくらくホンのカメラ機能を生かした。最新端末の「らくらくホン7」で写真を撮った後,専用スタンドに置くだけで写真データをらくらくパソコン3に自動転送できるようにした。

 今後は,「ホン」と「パソコン」の連携を強化する。らくらくホンには各種のセンサが搭載されており,これをらくらくパソコンと連携させれば,高齢者の見守りサービスなどへ応用できるだろう。SNSのようなコミュニティーを高齢者向けに提供できれば,サービスの幅をさらに広げられそうだ。

 「らくらく」シリーズは,高齢者だけを対象にしたものではない。このシリーズの開発を通じて,我々は「人間にとって機器の利便性とは何か」を徹底的に追求している。他社にはまねできないノウハウを蓄積するつもりだ。(談)

あのポットは今
契約数は目標未達だが,イメージはアップ

新矢 浩司氏
象印マホービン
特機企画室 マネージャー
専用ポットの底の内部。FOMA通信モ ジュールが内蔵されている。

“見守りポット”と聞けば,多くの方がピンとくるだろう。象印マホービンが2001年3月に開始した「みまもりほっとライン」は,FOMA通信モジュールを内蔵した専用ポットを利用して,高齢者を見守るサービスだ。間もなく10年目を迎える同サービスの現況などを,担当者に聞いた。

 サービス開始以降,7600件の契約があった。解約もあるので,現時点(2010年9月末)での契約数は約4000件。ポットを利用しているユーザー層の中心は,80歳台の高齢者である。

 当初,1万件の契約を目標に事業を立ち上げた。現時点では目標を下回っているが,引き続き事業を進めていく考えである。こうしたサービスを展開していることによって,企業イメージがアップする効果もあるからだ。

 現在のポットは2代目だ。初代機からの大きな変更点は,「おでかけお知らせ」機能を搭載したことである。高齢者が外出する際に「おでかけ」ボタンを押しておけば,見守っている家族などに外出したことがあらかじめ通知されるため,「ポットが使われていない」という余計な心配をされなくて済む。これは,初代機に対してユーザーからの要望が最も多かった機能である。

 ほかにも,「カメラを付けてほしい」「緊急連絡ボタンが欲しい」といったユーザーの声があった。しかし,このサービスのコンセプトは,あくまで高齢者の「元気」な生活を「そっと」見守ることにある。例えば,カメラを付けると監視になり,コンセプトが大きく変わってしまう。そのため,採用しなかった。

(談)