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 医療/ヘルスケアの日常生活化のためにはまず、「場所」が重要なポイントになる。病院のような非日常的な場所ではなく、家や地域、移動空間、あるいはカラダそのものに、医療/ヘルスケアの要素を溶け込ませなければならない。

 今後は、遠隔医療や地域医療連携などが進展していくことによって、これまで手が届かなかった生活空間にも医療/ヘルスケアが入り込んでいくだろう(p.81の「被災者支援に遠隔健康相談のノウハウを活用、NTT東日本」参照)。しかし、ありとあらゆる日常の場所に医療/ヘルスケアの要素を溶け込ませるには、遠隔医療や地域医療連携だけでは不十分である。実在する医師のリソースに限りがあるからだ。

 そのため、“医師の代わり”となる存在を構築することが欠かせない。それを実現するのは、さまざまなセンサ技術や、そこで取得したデータをやりとりするための通信(ネットワーク)技術などである。

トイレから地域医療へ

図3 基礎体温も測れるように
大和ハウス工業の「インテリジェンストイレ?」。初 代機に対して、基礎体温に相当する深部体温を測 定する機能などを追加した。
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 家に医療/ヘルスケアの要素を溶け込ませた代表的な例が、大和ハウス工業の「インテリジェンストイレ」である。便器に尿糖値測定器、トイレット・ペーパーの下に血圧計、床に体重計などを内蔵し、誰もが日常的に利用するトイレという場所でさまざまな生体データを取得できるようにした。現在販売されているのは、基礎体温に相当する尿温度(深部温度)を測れるなどの改良を加えた、2代目のシステムである(図3)。