PR

 一般にフリーメッシュでは,解析対象全体にわたって平均的な要素長を設定できるようになっている。この値の設定の仕方によって,どの程度細かく分割するかが決まる。ソリッドの場合,対象物を肉厚方向と長手方向に分けて考えるなら,要素長を肉厚方向の1/2~1/3の長さに設定するのが望ましい。しかし,長手方向と肉厚方向の比が1から離れれば離れるほど,つまり薄くて長い形状ほどその条件で設定するのは難しくなる。メッシュ数が増えて天文学的な数字になってしまうからだ。メッシュが増えるとそれだけ計算時間も増えるので,現実的な要素長を探らなくてはならない。では,どのような大きさでメッシュを切ればいいのか――。

最初は試行錯誤も覚悟

図2●メッシュ分割の意義
図2●メッシュ分割の意義

 メッシュの役割をあらためて考えてみよう。解析対象物をメッシュで分割するのは,ユーザーの設定した自由度で計算したいからである。細かくメッシュ分割すればするほど,構造物の剛性を正確に計算できるが,どの程度まで細かくするかはユーザーがどの程度の精度を求めているかによるわけだ。

 例えば,単純支持はりの問題を考えた場合,2要素で計算するということは折れ曲がりを1カ所だけ,3要素で計算するということは折れ曲がりを2カ所許容するということにほかならない(図2)。問題は,自分が計算したい構造物の変形を正しく表現するために,最低限でもどのくらいのメッシュ数が必要かを知ることだ。実は,必要とされるメッシュ数は解析対象の大きさや,材質,形状などに依存するのでこれといった回答はない。従って,最初は数種類の大きさのメッシュで分割して計算してみるしかないのだ。

 例えば,長手方向の1/10,1/20,1/40~1/1000など各種設定して試してみる。その上で,解析結果から着目している変形量なり応力なりをグラフに描く。その値が飽和する分割数なら妥当と考えてよいだろう(図3)。毎回この作業をする必要はなく,類似の問題なら分割数も同程度にしておけばよい。シェル要素の場合も同様。前述の通り長手方向に1/10~1/100,1/1000といった要素長で分割して計算し,どの程度の細かさで結果が飽和するかを確認する。

図3●妥当なメッシュ数の検討
初めに同一形状でメッシュ数を変えて解析してみる。着目している計算結果の値が飽和する程度がちょうどいいメッシュ数といえる。

 ただし,飽和しないからといってむやみに要素数を増やすと計算時間が長くなりすぎて実用的でなくなってしまう。使っているコンピュータの性能とCAEツールの能力,および許される計算時間も考慮しなくてはならない。どの程度が許容されるメッシュ数の限界なのかを必ず把握しておこう。

 なお,変形量や固有値の場合は上記の議論で十分だが,応力値を正しく把握したい場合はさらにメッシュ分割に配慮する必要がある。変位量を左右するのは主として解析対象全体の剛性であるのに対して,応力の場合は応力が集中する部分の局所的な条件が支配的だからだ。従って,応力集中部を集中的に細分化するといったメッシュ分割が必要となる。これが(2)のメッシュの粗密の問題である。多くのCAEツールでは,応力集中部などの特別な部位に,平均的な要素長とは異なる局所的な要素長を設定できる。任意の領域のメッシュを細かくしたり粗くしたりするのだ。