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 オートメッシャが普及する以前は,ソリッド要素として古典的な6面体要素が多用されていた。実は,6面体要素の方が高精度の計算結果が得られる。例えば,6面体1次要素,4面体1次要素,4面体2次要素で単純支持はりにおけるたわみ量を解析すると,6面体1次要素の場合は支配方程式を離散化せずに解いた値(解析解)とほぼ同一の値を得られるのに対し,4面体1次要素は40%程度たわみ量が小さくなってしまう。

 ところが,同じ4面体でも2次要素で計算すれば,2~3%程度少なく算出される程度で済む。従って,4面体要素を用いる場合は,基本的に2次要素を用いた方がよいのだ。実際,多くのCAEツールは最初から2次要素を生成している。しかし,2次要素であるが故の問題もある。それは,節点数の違いに起因している。例えば,2次要素は1次要素に比べ節点数が多い。このため要素長を小さくすると解析モデル全体の節点数が急激に増え,計算時間が長くなる(図7)。次数に応じた要素長の設定に注意が必要だ。

 また,中間節点で要素の稜線りょうせんが折れ曲がるため要素形状がひずんで,つまりメッシュ品質が悪化して計算ができなくなったり,2次要素同士でできた複数の部品が接触して解析が難しくなったりといった問題も起こり得る。昨今のCAEツールは,2次の4面体要素の使いこなしに腐心しているのでこうした問題に直面することは少なくなったが,少なくとも次数によってどういう違いがあるかは知っておこう。

図7●次数による節点の違い
要素数が約4150 のモデルを,1次要素と2 次要素に設定した場合,節点数は1次要素の場合1275,2次要素の場合は約7800となった(a)。1次要素は要素が直線で構成されているが(b),2次要素の場合は曲率の小さな部分で要素が折れ曲がっているのが分かる(c)。

CAEにも求められるPDQ

 次に(5)のメッシュが切れないという問題を考えてみる。CAEツールを使っていると,メッシュが生成できないといったメッセージが表示されたり,メッシュ生成の途中で,コンピュータがハングアップしてしまったりする場合がある。どのような場合にそのような事態に陥ってしまうのだろうか。

 メッシュ生成に失敗する主たる原因は,設計の過程で形状変更を繰り返したことによるデータの不整合にある。例えば,元となるCADデータに,面の欠落や微小要素,隣接するサーフェス同士の境界のずれなどがあると,メッシュを生成しにくくなる。CAEモデルに変換する際のトレランスにも注意が要る。これらはCADデータの品質に帰着する問題。CAE専門家が行う解析でも,現在の技術的課題の大半を占めるといってよい。メッシュ生成に失敗した場合には,一見手間がかかるようでも,PDQチェックツールなどでCADデータの品質を確認し,3次元CADに戻ってデータを修正するのが,結局は近道である。