PR

 一般に設計者が使用する頻度の高い解析には,強度剛性解析,熱解析,固有値解析が挙げられる。境界条件の設定に関して言えば,それぞれ設定の際のポイントが異なるが,今回は,最も設計者になじみ深いと思われる強度剛性解析に的を絞り,解析対象物にどのような境界条件を設定したら,どういう答えになるのか,その影響について見てみる。

 まずここで,あらためて境界条件とは何なのかを考えてみよう。境界条件を設定するとは,簡単に言えば解析しようとする設計対象物が,どのような環境に置かれているかを想定し,その場合に受けるはずの外的要因を定義することである。

 もっと平たく言えば,構造物をボルト留めするのか,溶接で固定するのか,あるいは,はめ込みで支持するのか,そして,どこにどんな力を加えるのか,引っ張るのか押し込むのかといった状態を定義することだ。解析対象物の形状や物性は同じでも,置かれている状態の違いによって,解析対象物に作用する見掛け上の強度や剛性は大きく異なってくる。

拘束条件に注意すべし

 一般に,構造解析の境界条件には,どこにどれくらいの力を加えるかを定義する「荷重条件」と,設計対象物をどう支持するかを定義する「拘束条件」がある。荷重条件は,想定している荷重負荷の大きさや方向,荷重がかかる位置を入力すればよいので,初心者でも比較的分かりやすい。

 一方,拘束条件は設定に一工夫必要な場合が多い。では,拘束条件として一般にどのような種類があるのだろうか。現実的な事象と対応して考えると,代表的なものとして(1)ボルト固定(2)溶接(3)リベット接合(4)固着(5)接着(6)接触――などが挙げられる。

 CAEソフトの使用に慣れている技術者なら,上記のような支持方法の場合に,どのような拘束条件を設定すればよいのか容易にイメージできるだろう。しかし,安直に設定すると思わぬ落とし穴に陥りかねない。拘束条件の決め方いかんで,解析結果の精度が左右されるといっても過言ではないのだ。