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 「携帯電話機やスマートフォンのGPS機能の普及が,気象予報に革命をもたらしている」。

 こう話すのは,気象情報サービス最大手のウェザーニューズ(WNI) 取締役の石橋知博氏だ。同社が手掛けるのは,市民レポーターによるユーザー参加型の気象情報サービス。携帯電話ユーザーが投稿した天候などの気象観測データを予報に活用する取り組みだ(図1)。このサービスで重要な役割を果すのが位置情報である。携帯電話機に標準搭載されたGPS機能を使うことで,ユーザーによる気象観測の地点を容易に把握できるようになった。現在,市民レポーターの登録者数は22万人に上る。

図1 位置情報でユーザー参加のデータ収集が可能に
WNIは,天気関連の実況データを位置情報と共に市民レポーターから収集し,気象予報の実況データとして活用している。その予報は,企業向けの気象情報サービスにも生かす。図中の画面例は,同社の「iPhone」向けソフトウエア。
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 サービスに手応えを得たのは3年ほど前のことだ。ユーザーによるレポートをゲリラ豪雨の予報に取り入れた。気象庁の観測データなどと組み合わせた,気象予報士による本格的な予報である。すると,予測が難しいといわれる豪雨の発生を,実に7割を超える確率で事前に補足できたのだ。

企業向けサービスにも活用

 これと前後して,WNIは気象予報のプロセスや社内組織を大きく変え,全社を挙げてユーザーのレポートを気象予報の判断基準に採用する取り組みを加速させた。今では,製品の需要予測などに使われる企業向けの気象情報サービスにも,予報にこの枠組みを取り入れている。