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「やるぞー、やるぞー、やるぞー!」

スタンレー電気では、カイゼン活動を始める前にこぶしを突き上げながら「やるぞー」と叫ぶ「やるぞコール」を習わしとしている。これは、自らの意欲を誰の目にも明らかにすることで、自分自身を鼓舞する効果が望める。タイのバンコク近郊で半導体や超小型電球などを生産する同社の子会社、Asian Stanley International社(ASI)でも、タイ語でやるぞコールを実施している(見える化事例1)。

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 ASIの現地スタッフたちにとってカイゼン活動は「達成感を味わえる楽しいもの」(ASIで品質検査を担当するNichanan Rojanarangsan氏)である。「もし、他にもっと高い給料をもらえる工場があったとしても、カイゼンができるこの会社を選ぶ」(同氏)という。ASIでカイゼン研修の講師を務めたことのある日本人駐在員は、現地スタッフの活動についてこう話す。「実施のスピードがものすごく速い。自分たちで考えてカイゼンを実施し、みるみるタクトタイムを縮めていくので、ちょっと怖いくらいだ」。

誰にでも分かる評価軸を

 ASIは1987年に設立。スタンレー電気は1998年から、ASIに日本人社員の指導員を送り込むなどしてカイゼンの知識を広めてきた。現地で日本と同じ感覚でカイゼン活動ができるようになったのも、10年以上にわたる教育活動の賜物だ。この教育活動を進める上で重視したのが、誰にでも分かる評価軸を採用したことである。すなわち、①仕掛かり品を減らす、②同じ仕事を少ない人数でできるようにする(活人)、③同じ仕事をより狭い場所でできるようにする(活スペース)、の3つだ(見える化事例2)。この3つであれば誰の目にも明らかなので、現場スタッフにとって理解しやすいし、公平感もある。実はこれらの指標、日本のスタンレー電気でも同じものを採用している。日本でも海外でも同じ指標を用いることで、たとえ駐在員が交代しても、同じ「言葉」で会話ができるのだ。「タイの人たちは、理解すれば素直にどんどんチャレンジしてくれる。彼らを信頼してカイゼンに取り組んでもらい、それを正当に評価してあげることが、現場のヤル気を引き出すコツだ」(ASI Presidentの小林勇氏)。

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