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 新興国は、近年の経済成長に伴って生産拠点としてだけではなく市場としても魅力が高まっている。特に、市場として急成長が続いたことによって、その市場を狙う世界の企業の新興国戦略が一変し、新興国向けに専用設計した製品も急増している。日本の自動車産業の例を図1に示す。大きくは3期に分かれるが、第1期、第2期と比べて第3期は戦略が大きく変わっている。

図1●日本の自動車産業の新興国戦略の変遷
第3期の新興国戦略の特徴は、最初から新興国向けに設計したクルマを投入すること。それに対して第1期と第2期は、先進国向けに設計したクルマを投入していた。

 旧型車を新興国に持ち込んだ第1期も、最新型車を持ち込んだ第2期も、そこで生産されるモデルは先進国向けに設計されたものだった。これらに対して、第3期の典型である「マーチ」(日産自動車)は、最新の技術を用いながら新興国で生産して新興国で受け入れられる価格を実現すると同時に、先進国でも受け入れられる品質・性能を確保することを商品企画の段階から目指したモデルである。

 こうした第3期の特徴を一言でいうと「海外でつくりグローバルに販売する」である。今後は、価格競争の激しい中級車や普及車は、新興国の開発拠点で現地化対応開発を行いながら新興国の材料・部品を活用し、先進国でも通用する品質と低コストを実現していかなければならない。もちろん、これは自動車に限ったことではない。

 そのためには、日本のものづくりを進化させる必要がある。進化のポイントは、日本流生産方式をどこの国でも実施できるようにグローバル化することである。日本(だけ)で通用する日本流生産方式から世界で通用する日本流生産方式に再構築しなければならないのだ。

 図2は、経営管理技術の高度化の推移を表している。1990年ごろから旧来のものづくりに限界が見え始めていたが、他方では、その頃から従来の日本流にはとらわれないグローバルで新しいものづくり(契約社会を前提とした新経営管理技術)の萌芽も見られるようになった、というのが筆者の理解である。7M+R&Dアプローチは、ものづくりをグローバル化するための実践法である。

図2●グローバル化の進展で進化が求められる経営管理技術
日本的慣行に基づく旧来の日本流ものづくりから、その良いところを残した上で海外の契約社会に通用するように進化させた新しい経営管理技術を確立する必要がある。7M+R&Dアプローチは、その進化を促すための手法である。