PR

 新興国の工場において、製造品質と生産性を高めてものづくりを成功させるためには、日本と同じように「常に改善活動可能な労使関係」を社内で構築し、これをサプライヤーにまで広げていく必要があると指摘した。今回はチームワークという視点から、常に改善活動可能な労使関係を工場内に構築するための実践法と、それをどのような形で「7M+R&D(ななエム プラス アール アンド ディー)アプローチ」に組み込んでいるのかを中心に紹介しよう

 7M+R&Dアプローチは32の評価項目を0から4点の5段階で評価し、その合計点で、生産拠点や企業全体の実力を見える化する手法である。

「チームワーク」が分からない

 製造現場では、現地の従業員にチームワークよく働いてもらう必要がある。チームワークは、常に改善活動可能な労使関係の構築に向かう第一歩である。日本では製造現場に限らず、ほとんどの職場でチームワークが機能しているが、海外では日本のようなチームワークは、自然発生的には存在しないと考えた方がよい。そのため、改善活動を実施する前にまず、チームワークが機能する職場環境を作らなければならない。しかし、これはとても難しい。7M+R&Dアプローチでは、この点を強く意識している()。

図●7M+R&Dアプローチにおけるチームワーク(評価項目25「新たな事象への対応力」)の評価方法
ここではチームワークの導入だけではなく、それが契約書(雇用契約や労働協約)に含まれていることを重視している。これは、海外では契約社会であることを経営陣や管理者が認識しており、そのための対策として契約書を重視していることを示すものである。

 確かに、チームワークはもともと英語であり、サッカーや野球などの団体競技でも使われているので、特に欧米人にとっては当たり前のことと思うかもしれない。

 だが、欧米でいうチームワークは、スポーツなど特殊な世界のもの。通常の仕事は契約に基づいて行われ、そこにチームワークの概念が盛り込まれていないため、工場で働く作業者に「チームワークを働かせよ」と言っても理解してもらえない。現に筆者は、欧米に限らず、アジアの多くの国で「ものづくりにおけるチームワークの定義を教えてほしい」と何度も聞かれたことがある。