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製品への愛着を取り戻す

 新製品を購入すると,1年もたたずに少し機能を追加したマイナーチェンジ品が登場し、自分の製品はあっという間に陳腐になる。長い間,このサイクルを体験したユーザーは製品に愛着を抱けなくなっている。

 恐らく,自動車メーカーの開発者は,苦労して作った製品が「痛車」になっていたら嘆くだろう。だが,理由はどうあれ,痛車ユーザーは製品に愛着を持ってくれる貴重な人である。嘆かわしいと思うよりむしろ,ユーザーの振る舞いの中にヒントが隠れていると考えるべきではないか。もはやユーザーが製品を愛する理由を,メーカー側の論理で決められる時代ではない。

 ユーザー参加型のモノづくりでメーカー側に求められるのは,ユーザーが製品に愛着を持ち“いじりたくなる”仕掛けをつくること。そのためには設計や生産の技術情報をユーザーに対してオープンにし,モノづくりを楽しむ仕掛けを忍ばせた製品や技術素材を提供することが大切だ。

 その仕掛けづくりでカギを握るのは,世界で発信力のあるアキバ系やシブヤ系のサブカルチャーだとみている。「痛車」を生む文化が身近にあることは,日本メーカーにとって好機だ。日本の誇るモノづくりとサブカルチャーの融合は,いずれ訪れるユーザー参加型モノづくりの時代で日本メーカーの大きな武器になる。(談)