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 「iPhone」や「Android」搭載機といったスマートフォンは、「アプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)をインストールできること」が大きな利点である。つまり「持ち運べる超小型パソコン」だ。ところが、本家のパソコンでは、インストール型のローカル・アプリに代わって、Webブラウザーで実行するHTML5アプリが主流になりつつある。各種のソーシャル・ネットワーク・サービスや、「Gmail」「Googleカレンダー」といった米Google社が提供するサービスなどだ。

 この流れがスマートフォンにも押し寄せてきた。「Firefox OS」や「Tizen」といった、HTML5を前面に押し出したモバイルOSが登場してきたのだ。Google社も、AndroidをHTML5に大きくシフトさせるさまざまな決断を下している。

 ただ、HTML5は本質的に、端末の差異化を難しくする技術である。HTML5が快適に動作さえすれば、どんな端末でも構わない。HTML5は、既存のiPhoneやAndroid端末でも動作する。つまり、Firefox OSやTizenは、自身の存在意義を揺るがしかねない「HTML5の毒」を内包していると見ることもできる。

 これまで日本のメーカーは、一部の部品メーカーを除いて、スマートフォン分野で存在感を示すことができなかった。特に端末製品の市場では、ほとんどの日本メーカーに海外で戦える競争力はない。

 であれば、端末の差異化を難しくするHTML5化の流れは、日本メーカーにとっては逆にチャンスといえる。愚直に「ユーザーが求めるもの」をHTML5で提供できれば、勝機が見えてくるはずだ。NTTドコモやKDDIといった日本の携帯電話事業者がHTML5化の流れに積極的なのも、日本のメーカーにとって追い風である。この流れは、スマートフォンの枠に捉われない「ユーザーにとって理想の端末」を生む原動力になるかもしれない。

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