ソーシャル・デバイスの活用事例を企業別に紹介する。手持ちのリソースをどのように生かし、またどのような外部の力を借りて、どんな応用に展開しようとしているのか。デバイス・メーカーの持つデバイス/技術力と、システム・ベンダーの持つシステム/ソリューション力をつなぐヒントが見えてくる。
企業のソーシャル・デバイス戦略
目次
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老人ホームで欲しい技術と要らない技術
「高齢者ビジネスは技術で差異化」、オリックス・リビングに聞く
オリックス・グループで高齢者向け住宅事業を手掛けるオリックス・リビングが、高齢者施設を新技術で差異化しようとしている。必要とするのは、入居者とのコミュニケーション時間を長くできる技術だ。技術志向による技術は使えないという。
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顧客に納めた医療機器の精度を監視、医療機関のレベル底上げに貢献
シスメックス
顧客に納めた機器の状況を定期的にチェックし、メンテナンスを効率化する――。最近、製造業の企業が、こうした「サービス化」に取り組む例が目立ってきた。医療業界での例に、神戸を本拠としてグローバルに事業を展開しているシスメックスのサービスがある。
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「未来のあたり前」目指す大日本印刷、武器はソーシャル・デバイス活用のアイデア
生活の利便性や快適性を高めるとともに、人の場所や状況に合わせてタイムリーに情報を配信し、行動を促す。こうした「未来のあたり前」を、ソーシャル・デバイスを活用しながら実現していこうとしている企業がある。大日本印刷(DNP)だ。生活者がスマートに働き、心地よく暮らせる、「やさしい」未来の街を作る――。…
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脱センサの米TI社、センサ向けICのベア提供で需要つかむ
米Texas Instruments(TI)社は、2013年8月1日、市場拡大が見込まれるセンサ関連製品の事業方針を明らかにした。同社主力のアナログ半導体などをセンサ・システム・メーカーだけではなく、センサ・チップ・メーカーへも販売していく。センサ・チップ・メーカーへは、アナログ半導体をパッケージ…
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ガン細胞、ストレス、建材水分量の可視化手法、ロームが提案
ロームのセンサ・ネットワーク技術(2)
More than Moore(モア・ザン・ムーア)型の半導体技術をセンサ開発に展開しているロームが、医療や建設などの世界で役立つセンシング技術を明らかにした。いずれも赤外やX線などさまざまな波長の波を撮像素子やセンサで取り込んで解析する。多くの技術は従来から知られた原理に基づくので、実用化を進め…
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「五感超え」「超低電力」で医療・建設のハイテク化目指す、ローム
ロームのセンサ・ネットワーク技術(1)
「人体の見えなかった部分を可視化する」「ヘルスケアや介護で見守りコストを大幅に減らして事業化の敷居を下げる」「構造物の劣化による危険を見逃さずに保守・補修のコストを激減させる」――。ここへきて、半導体や電子部品のメーカーから、医療・ヘルスケア・介護・建設などに向けた提案が相次いでいる。
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富士電機、構造物モニタリングで入退室管理も実現
富士電機は、ICT(情報通信技術)化の余地が大きい建設分野で、ソーシャル・デバイスによる事業化を進めている。MEMS(微小電子機械システム)技術を使って自ら開発した高感度の振動センサで、建造物のモニタリング・システムを中堅ゼネコンの戸田建設とともに作り上げた。例えば大地震の発生後、利用者が建物を使い…