
メガソーラー・トラブルシューティング
目次
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夏の雷の100倍のエネルギーで直撃する「冬季雷」
サンコーシヤ 第7回
国際規格が想定している以上の落雷が発生する地域では、その地域に特有の雷対策が必要な場合がある。日本においても、風力発電設備に対して、特別な雷対策が求められている地域がある。代表的なものが、日本海に近い地域で発生する「冬季雷」で、非常に強い電気エネルギーを持つため、通常の雷とは違った対策が必要になる。
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太陽光発電所の雷対策、地域による違いはあるのか?
サンコーシヤ 第6回
太陽光発電システムは、世界各地で設置されている。気象条件や環境の違いにより、落雷に関する状況や、その対策に違いのある場合もある。例えば、オーストラリア最大級のメガソーラーとされる出力102MWの「Nyngan」と、出力53MWの「Broken Hill」では、太陽光パネルやパワーコンディショナー(P…
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水上メガソーラーは、雷対策に優れているのか?
サンコーシヤ 第5回
太陽光発電システムは、地上や建物の屋根の上といった場所だけでなく、ため池の水上にも設置されるようになってきた。水の上に太陽光発電システムを設置する場合、雷への対策としては、どのような違いや影響があるのだろうか。
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雷対策の盲点は「ネットワーク化」、気象センサーや遠隔監視システムから被災
サンコーシヤ 第4回
これまで解説してきたように、電気機器は、「直撃雷」と「誘導雷」のいずれによっても、電気的な性能を損傷することがある。この対策として、主にサージ防護デバイス(SPD)が使われている。電気機器の絶縁性能を破壊し、機器の機能を損傷させるといった被害から保護する手法として、ほとんどのメガソーラーで設置されて…
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メガソーラーでは「直撃雷」も「誘導雷」も起きる
サンコーシヤ 第3回
雷による電気機器への被害は、二つの種類に分かれる。一つは「直撃雷」、もう一つは「誘導雷」である。「直撃雷」は、その名の通り、建物や機器、送電ケーブルなどに、直接、雷が落ちることを指す。
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太陽光発電専用のSPDが要るわけ
サンコーシヤ 第2回
太陽光発電所で多く起きているトラブルの一つが、落雷によるものである。雷対策などを手がけるサンコーシヤ(東京都品川区)による、落雷に伴う太陽光発電設備への影響や、その対策などを紹介する。
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「平地でも雷は落ちる」、太陽光発電所に必要な備えとは
サンコーシヤ 第1回
太陽光発電所で多く起きているトラブルの一つが、落雷によるものである。今回から、雷対策などを手がけるサンコーシヤ(東京都品川区)による、落雷に伴う太陽光発電設備への影響や、その対策などを紹介する。
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雨水が土を侵食、土砂崩れの例も
排水対策とともに、慎重な設計が必要に
固定価格買取制度(FIT)の施行後、いち早く発電を開始した太陽光発電所では、運用開始からすでに4年経っている。完工してから年月を重ねていく中で、表面化しているトラブルの一つに、雨水による土壌の浸食がある。
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「180日ルール」の申請忘れで、設備認定が失効
EPC企業が「失念」、売電収入の減額分を補填
経済産業省は、2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を施行して以降、数度にわたって運用のルールを変えてきた。その目的の一つは、設備認定と電力会社の電力網への接続枠を確保しながら着工しない、滞留案件の解消にあった。
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「忍び返し」も何のその、太陽光発電所に出入りするイノシシ
地面を掘り込み、基礎や防草の機能が低下
太陽光発電所が、自然豊かな山林の中などに立地することも増えてきた。工業団地の空き区画といった、平坦な空き地が少なくなったためである。山林には、樹木や草花が豊富なだけでなく、鳥や動物も多く生息している。そのような場所に、太陽光発電所が完成すると、思わぬ“来訪者”もやってくる。
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石落としだけじゃないカラスの悪戯、水道管の保護材が剥き出しに
設置する向きや高さ、配置の工夫で被害を軽減
太陽光発電所は、通常、無人であることが多い。しかし、自然豊かな国土を持つ日本では、発電所の周りにも、活発な小動物が生息している。人がいなければ恐れずに入ってくることもある。所内の設備などを損傷したり、悪影響を及ぼす場合がある。
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太陽光パネルの不具合の抑制と関連、「IEC61215」が改定
ケミトックス 第11回
今回は、太陽光パネルの評価に関する国際規格である「IEC61215」の改定に関して、取り上げる。ケミトックスが6月2日に開催したIEC改定に関するセミナーの抜粋となる。屋外において長期間、高い信頼性で使用できるパネルに必要な要件を定めたもので、より正確な発電量の予測や太陽光パネルに生じる不具合の抑制…
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輸送時に生じる太陽光パネルのマイクロクラック
ケミトックス 第10回
太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。
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益城町にて、地震後のメガソーラーを巡る
急斜面に単管パイプで並べたパネルも損壊せず
4月14日夜以降の「熊本地震」では、熊本県を中心に、甚大な被害が生じている。震度7をはじめとする強い揺れが続いたことで、住宅やビル、道路などの倒壊や損壊、土砂崩れによる被災も相次いでいる。震度7の地震に2度も襲われた益城町において、現地の太陽光発電システムの現状を実見した(取材日は4月27日)。
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「スネイルトレイル」を防ぐには?(下)
ケミトックス 第9回
前回に続き、「スネイルトレイル」について紹介する。スネイルトレイルを生じないようにする対策の候補は、主に三つある。一つ目は、結晶シリコン系のセル(発電素子)に、マイクロクラックを生じさせないことである。二つ目は、バックシートに水分を透過させないこと。三つ目は、封止材内における化学反応を抑えることとな…
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「スネイルトレイル」の発生メカニズム、出力異常なくとも要注意(上)
ケミトックス 第8回
今回は、「スネイルトレイル」について紹介する。太陽電池セル(発電素子)の表面に、黒色、または、白色の線状の模様が発生する現象を指す。カタツムリ(スネイル)が、はうように歩いた跡(トレイル)のように見えることから、スネイルトレイルと呼ばれている。
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ジャンクションボックスが融ける――バイパスダイオードの故障が招く不具合
ケミトックス 第7回
今回は、「バイパスダイオード」の不具合を紹介する。結晶シリコン型のパネルは、すべてのセル(発電素子)を直列で接続している。そのため、不具合によって発電しないセルが1枚でも生じると、太陽光パネル全体に影響を及ぼし、出力が低下してしまう。バイパスダイオードは、こうした太陽光パネルの構造上の弱点を補う機能…
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セルの外周が剥がれる、バックシートが膨らむ――樹脂の劣化による不具合
ケミトックス 第6回
太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。
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コネクターが腐食、原因は「野ざらしで長期保管」
ケミトックス 第5回
今回は、腐食による不具合の事例を紹介する。太陽光発電所が稼働後、発電の異常を示した太陽光パネルが顧客から持ち込まれた。調べてみると、セル(発電素子)やジャンクションボックスなどに異常は確認できなかった。そこで、送電ケーブルや、隣のパネルの送電ケーブルと接続するためのコネクターを調べることにした。
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「バスバー断線」の見つけ方
ケミトックス 第4回
今回は、太陽電池セル(発電素子)で生じる代表的な不具合の一つである、バスバー(セル上の太い金属配線)が断線した事例を紹介する。製造工程の中で、バスバーを形成するはんだによる配線の不良が原因で生じる。はんだ付けの不良や、はんだ材料そのものの不具合が原因となる。