
メガソーラー・トラブルシューティング
目次
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PIDによる出力低下、特定できても…
ケミトックス 第3回
太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。
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「PID」検知手法の最新動向
ケミトックス 第2回
前回紹介したような出力低下につながる不具合であるPID(potential-induced degradation)は、主に結晶シリコン型太陽光パネルで生じる。特定の条件下において、太陽光パネルに高い電圧がかかり、出力が低下する。太陽光パネル内のセル(発電素子)とアルミ製フレーム間に、電位差が生じる…
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「1年で出力が約70%下がる」PIDとは?
ケミトックス 第1回
太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、検知するための手法について、今回からケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介していく。第1回目は、PIDによる不具合や、その原因などについて紹介する…
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ドローンが太陽光パネル撮影中に墜落、その原因と対策を聞く
電磁波が地磁気センサーによる姿勢検知を阻害
「ドローン」と称される無人小型ヘリコプターを使い、メガソーラーに並んだ太陽光パネルのトラブルを検知しようとする取り組みが相次いでいる。メガソーラーの全景を上空から撮影する場合に使われることも増えてきた。
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【鬼怒川氾濫】架台が分解しなかった低圧、脆弱だった高圧の差はどこに
架台などの構造や被災状況から、注意点や課題を探る
9月10日、台風18号の影響による記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊したり、堤防を越えて川の水が溢れ出る「越水」による被害が生じた。溢れ出た場所のうちの1カ所は、鬼怒川の東側に位置する若宮戸地区にある、複数の太陽光発電所に隣接する川岸だった。今回は、このメガソーラーや、より川沿…
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【伊勢崎市の太陽光発電システム崩壊】 架台崩壊の背景に不十分な強度設計の可能性
奥地建産による現場検証報告
今年6月15日午後4時から6時にかけ、群馬県伊勢崎市や前橋市で、ヒョウとともに激しい突風が吹き、ビニールハウスの倒壊や住宅屋根の一部飛散、多数の樹木の倒木、屋根瓦の飛散などの被害があった。この強風で伊勢崎市三和町に設置していた太陽光発電設備の太陽光パネルが数百枚、飛ばされるとともに、架台の多くが倒壊…
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「大規模な太陽光設備に一定の建築基準は必要」、日本風工学会の植松会長に聞く
二次被害を引き起こせば、「目の敵」となり普及を阻害
突風や台風による太陽光発電所のトラブルが相次いでいる。6月15日には群馬県伊勢崎市で、8月25日には福岡県柳川市や行橋市で、基礎・架台から太陽光パネルが吹き飛んだり、損壊した上に、周辺の道路や建物などに被害を及ぼしたことが報じられた。日本風工学会会長で、同学会の「太陽光発電システム風荷重評価研究会」…
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【鬼怒川氾濫】「掘削なくても、自然堤防を越えていた」、国土交通省・関東地方整備局
土嚢は「踏み込んだ措置」、住民の不安に異例の対応
9月10日、台風18号の影響による記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊したり、堤防を越えて川の水が溢れ出る「越水」による被害が生じた。常総市と下妻市の2カ所の観測点で、鬼怒川の水位が、1931年の観測開始以降、最高を記録した。常総市の観測点では、水位が最高8.06mに達した。
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【鬼怒川氾濫】「発電事業者のリテラシー不足を懸念」、太陽光発電協会・亀田事務局長
他人事とせず、被害も加害もない良質の発電所を
9月10日、台風18号の影響による記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊したり、堤防を越えて川の水が溢れ出る「越水」による被害が生じた。溢れ出た場所のうちの1カ所は、鬼怒川の東側に位置する若宮戸地区にある、複数の太陽光発電所に隣接する川岸だった。
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ゴルフや野球のボールで、太陽光パネルのガラスが割れる
隣接地からフェンスを飛び越えた打球が当たる
メガソーラーにおいて、トラブルの原因となるのは、太陽光発電システムの設計や施工の不備や不具合、動植物など周囲の自然、天候だけに留まらない。立地によっては、例えば、隣接地にあるスポーツ施設に起因すると推測される、太陽光パネルの損傷がある。隣の土地に、グラウンドやゴルフ場、ゴルフ練習場があるメガソーラー…
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パネル設置後の小学校で、基準値超の「トルエン」
屋根貸しの施工時の防水材が染み出す
土地に限りのある日本において、大型ビルの屋上への太陽光パネル設置は、今後、さらに太陽光発電が普及していくカギの一つとなっている。公共施設を多く抱える地方自治体の中にも、公民館や文化施設、公立学校の屋上を貸し、太陽光発電の導入を促進する取り組みが増えている。
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フレームの段差で土埃が泥状に固まる
トリナ・ソーラー・ジャパン 第6回
従来の太陽光パネルの課題の一つに、周囲を覆うアルミ製フレームと、カバーガラスの境に、土埃などが溜まりやすいことがある。フレームによる段差が、土埃などを堰き止めるように働くことで、傾けて設置したパネル底部のフレームとガラスの境で生じる。土埃だけでなく、桜島や阿蘇山などの火山に近いメガソーラーでは火山灰…
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フレームへの電流漏れから発生する「PID現象」
トリナ・ソーラー・ジャパン 第5回
両面ガラスの太陽光パネルによる信頼性の向上について、中国の大手太陽光パネルメーカーの日本法人であるトリナ・ソーラー・ジャパン(東京都港区)が開催した発表会の内容から紹介している。従来の樹脂製バックシートを使った太陽光パネルにおける信頼性の課題を、2枚のガラスで挟み込んだ密閉構造によって解消する(関連…
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強風による圧力が集中し、マイクロクラックが発生
トリナ・ソーラー・ジャパン 第4回
従来の樹脂製バックシートを使った太陽光パネルの課題の一つに、太陽電池セルのマイクロクラックの発生がある。マイクロクラックは、太陽光パネルの輸送時や施工における不適切な取り扱いのほか、設置後の強風や積雪などによって、パネルに外部から何らかの圧力が加わった場合に発生する恐れがある。従来の樹脂製バックシー…
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「消防士の死亡例も」、発電が止まらず、燃え続ける太陽光パネル
トリナ・ソーラー・ジャパン 第3回
両面ガラスの太陽光パネルによる信頼性の向上について、中国の大手太陽光パネルメーカーの日本法人であるトリナ・ソーラー・ジャパン(東京都港区)が開催した発表会の内容から紹介している。従来の樹脂製バックシートを使った太陽光パネルにおける信頼性の課題を、2枚のガラスで挟み込んだ密閉構造によって解消する(関連…
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セルとガラスの間に「気泡」が生じる
トリナ・ソーラー・ジャパン 第2回
太陽光パネルは、世界のさまざまな地域で使われている。スペインやイタリアのように、比較的、雨が降らない地域もあれば、日本のように高温多湿の地域もある。例えば、海岸沿いなどでは、塩霧が樹脂製バックシートを腐食する。この結果、湿気が侵入することになる。湿気が樹脂製バックシートを損傷し、透水率が1日あたり1…
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樹脂製バックシートの水分が引き起こす「スネイルライン」
トリナ・ソーラー・ジャパン 第1回
今回から、両面ガラスの太陽光パネルによる信頼性の向上について、中国の大手太陽光パネルメーカーの日本法人であるトリナ・ソーラー・ジャパン(東京都港区)が開催した発表会の内容から紹介する。従来の樹脂製バックシートを使った太陽光パネルにおける信頼性の課題を、2枚のガラスで挟み込んだ密閉構造によって解消する…
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1カ所では変動する出力も、束ねれば安定
NTTスマイルエナジー 第3回
前回、前々回に続き、NTTスマイルエナジー(大阪市)による、クラウドコンピューティングを使った電力の見える化サービス「エコめがね」を通じて把握したトラブル事例や、その傾向などについて紹介する。太陽光発電による出力は、天候などに左右される。これによる不安定さや、予測の難しさが、電力網に大量に導入しよう…
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「8月は5%の発電設備が停止」、夏に太陽光発電が止まるワケ
NTTスマイルエナジー 第2回
前回に続き、NTTスマイルエナジー(大阪市)による、クラウドコンピューティングを使った電力の見える化サービス「エコめがね」を通じて把握したトラブル事例や、その傾向などについて紹介する。エコめがねの導入数は4万台以上、導入済みの太陽光発電システムの合計出力は500MWに達している。エコめがねを取り扱う…
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カエルが黒焦げになり、発電が止まる
NTTスマイルエナジー 第1回
今回から、NTTスマイルエナジー(大阪府大阪市)による、クラウドコンピューティングを使った電力の見える化サービス「エコめがね」を通じて把握したトラブル事例や、その傾向などについて紹介する。NTTスマイルエナジーは、西日本電信電話(NTT西日本)とオムロンの合弁会社で、2011年6月に設立された。電力…